2025年3月5日(水)、東京・赤坂 サントリーホール。BMWブランド・フレンドを務める世界的ピアニスト 反田恭平氏と、彼がプロデュースするJapan National OrchestraによるBMW Japan主催のコンサートが開催されました。
2022年から続き、4回目の開催となった今回。観衆の期待を超える、感動に満ちあふれた一夜の模様をお届けいたします。

ホール・エントランス前のアーク・カラヤン広場にお目見えしたのは、『BMWと日本の名匠プロジェクト』により生み出された日本独自のコンセプト・モデル、BMW X7 NISHIKI LOUNGE。先進のテクノロジーと妥協なき美意識が融合した唯一無二のラグジュアリーSUVが、滝を思わせる噴水を背景に来場者を出迎えます。
公演前の忙しい合間を縫って、X7 NISHIKI LOUNGEのもとへ反田氏が来訪してくれました。2トーン・ペイントで彩られたその佇まいを、まずはぐるりと確認。そしてコックピットへと収まると、日本が誇る名匠たちによる加飾が施された、煌めきのディテールを一つひとつ確かめるかのようにしばし見入ります。その後はシートにゆったりと身を預け、自分だけの空間を堪能されているようでした。
さらに「BMWのさまざまなモデルに乗ってみると、どのモデルでもコックピットに収まった時に、無理なく身体が自由に使えるようになっている。今回のBMW X7 NISHIKI LOUNGEでも同様に感じられる、細部に至るまでの気配りに、日本の名匠と響き合うBMWのクラフトマンシップを感じます」とも語っていただきました。




午後6時過ぎ。アーク・カラヤン広場へ徐々に人々が集い、BMW X7 NISHIKI LOUNGEも多くの視線を集めます。
そして、開場の時刻に。続々と入場するお客様を、反田氏とJapan National Orchestraメンバーの直筆サインが入ったウェルカム・ボードが迎えます。

入場の人波がひと段落ついたころ、ホワイエの一角から不意に歓声が上がります。Japan National Orchestraメンバーによるロビー・コンサートが、小ホール前にて始まりました。
奏でられたのは、クルーセルの3つのクラリネット二重奏曲より第1番第1楽章、そしてメンバーを替えて、ブゾーニのクラリネット五重奏曲より第1楽章。目の前で紡ぎ出される美しき調べに、ホワイエ、そして2階席への階段で観ていた人々からも拍手が送られ、会場は開演前とは思えぬ熱気に包まれます。
午後7時、開演。ロビー・コンサートの熱気を受け止めながら、そして些かの緊張をほぐすかのように、まずは反田氏によるアイスブレイク。今回の公演に合わせ、BMWの最新モデルを体感した4人のJapan National Orchestraメンバーに反田氏が感想を尋ねてゆきます。思わぬエピソードも飛び出しながら和やかに進んだセッション。今宵のプログラムへの想いを反田氏が述べ、いよいよ演奏会の幕が開きます。

Japan National Orchestraの面々が配置につき、反田氏が指揮台に立ちます。待ち侘びた期待が静寂となりホールを覆うなか、演奏されるのはモーツァルトの交響曲第32番 ト長調 K. 318。モーツァルトの交響曲では異色といえる3楽章形式を持つこの曲。快活で華やぎに満ちたその旋律は、観客の心を楽曲の世界へ一気に惹きこんでゆきます。

続いては同じくモーツァルトのピアノ協奏曲第26番 ニ長調 K. 537。神聖ローマ皇帝レオポルト2世の戴冠式の祭典で演奏されたことから『戴冠式』の愛称がついたこの曲は、反田氏がピアノ演奏に加え指揮をも務める“弾き振り”にて行われました。明るく優雅なオーケストラの演奏と、情感豊かに奏でられるピアノの旋律。ホール全体をその手のうちに司るような渾身の弾き振りによって、プログラムの前半を締めくくりました。

20分間の休憩を挟み、プログラム後半。ふたたび指揮台へと立った反田氏の指揮により奏でられるのは、メンデルスゾーンの交響曲第4番 イ長調 Op. 90。メンデルスゾーンが同地を旅行中に書きはじめられたことから『イタリア』の愛称で知られるこの曲。鮮烈なスタートから緩やかな中盤を過ぎ、当時ローマなど南イタリアで踊られた舞曲サルタレッロを引用した激しく熱狂的なラストに至るまで。全身で緩急を自在に操る、反田氏の情熱的な指揮が続きます。
そしてプログラムのラストを飾るのは、モーツァルトの歌劇『フィガロの結婚』序曲。一般にもよく知られるこの曲が反田氏の指揮のもと、精緻かつ大胆に解釈されたその演奏はまさに圧巻。演奏終了とともに、場内のボルテージは最高潮に。ホール全体を揺るがすような万雷の拍手が鳴り響きました。

いつまでも鳴り止まぬ拍手。その大いなる賛辞に応え、モーツァルトの『トルコ行進曲』を反田氏がピアノ独奏。甘美な旋律に、会場にいる誰もが熱く火照った心を絆されます。さらにJapan National Orchestraのメンバーから、水野優也さん(チェロ)と水野斗希さん(コントラバス)が競演。反田氏やオーケストラのメンバーに見守られながら、ロッシーニのチェロとコントラバスのためのデュエット ニ長調 第3楽章を見事に演奏。今宵を締めくくる若き才能の名演に、観客、反田氏、そしてオーケストラのメンバーからも心からの盛大な拍手が贈られました。

昂奮と喝采のうちに幕を閉じた「BMW Japan Presents 反田恭平&ジャパン・ナショナル・オーケストラ コンサートツアー 2025」。3回目となる今回も数多くのお客様にご来場をいただき、一夜の感動を分かち合うことができました。
単なるサポートという枠を超え、互いに刺激を受け、刺激を与える。この幸福な関係が“新たな歓び”を生み出すと信じて。BMWはこれからも、人々を魅了するクラシック音楽を支えてゆきます。
PROFILE
プロフィール

反田恭平
2021年、第18回ショパン国際ピアノコンクールにおいて、日本人としては実に半世紀ぶりとなる第2位を受賞。2020年のコロナ禍ではいち早くストリーミング配信を行うほか、若手の音楽家とファンを繋ぐ音楽サロン「Solistiade」も運営している。
F.ショパン国立音楽大学(旧ワルシャワ音楽院)研究科修了。現在はウィーンを拠点に活動を続け、海外での公演に数多く出演。2024年5月にはザルツブルクにて指揮者としてのデビューも果たしている。
米フォーブス誌の『Forbes 30 Under 30 Asia Class of 2024』に選出された。

Japan National Orchestra
反田恭平が、ソリストとして活躍する同世代の実力派アーティストを結集し2018年に始動。サントリーホールでの2,000席完売をはじめ、室内楽では異例となる動員数を記録した。
2021年1月に現在の名称へと改称。2022年2月に奈良県と「文化活動の振興に関する連携協定」を締結し、県内の小・中学校や高校等へ上質なクラシック音楽の鑑賞や体験、指導の機会を提供するなど地域貢献活動にも取り組んでいる。
BMW x JNO
協賛の枠を超え、さらなる歓びを。
前回の公演に引き続き、今回もJapan National Orchestraメンバーに、BMWの最新モデルを体感いただきました。【画像左から】大槻健さん(コントラバス)はBMW 523d xDrive ツーリング、佐々木賢二さん(チェロ)はBMW X3 M50 xDrive、水野優也さん(チェロ)はBMW X2 xDrive20i M sport、森田啓介さん(チェロ)はBMW M135 xDriveを、それぞれドライブ。オーケストラでの演奏のように、クルマと響き合いながら走ることを愉しむ『駆けぬける歓び』を、存分に堪能いただきました。