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– 技術の深淵。漆黒の美。
BMW X7 M60i xDrive “BLACK-α”

– 技術の深淵。漆黒の美。

2025/5/8

ブランド史上最大のサイズを有するBMW X7。広大な室内空間でドイツのクラフトマンシップと和の美学が相対する時、そこに新たなるラグジュアリーが生まれます。

前回のBMW X7 “NISHIKI LOUNGE”とはまた異なる、崇高な黒と輝きの世界。それこそが“BLACK-α”なのです。

BMW X7 M60i xDrive “BLACK-α”

BMWと日本の名匠プロジェクト

培われたテクノロジーと妥協なき美意識を融合し、特別な一台を創るBMWの革新的プロジェクト。第5弾となる今回も、堂々たる威容を誇るBMW X7を舞台に名匠たちの技が冴え渡ります。

前回のプロジェクト : BMW X7 “NISHIKI LOUNGE”

BMW X7 M60i xDRIVE “BLACK-α”

スワロフスキー社のクリスタルを用いたヘッドライトなど、再定義されたモダン・ラグジュアリーを体現するBMW X7。そのパフォーマンスを磨きあげたM パフォーマンス・モデルであるM60i xDriveのボディは、高度な技術によりマットな質感のブラックでムラなくペイントされています。

その室内も“BLACK-α”のコンセプトのもと、精悍なエレガンスで満たされます。乗る者を無限の黒の世界へと誘う、真に贅なる一台がここに誕生しました。

EXTERIOR​

外界からのすべての光を捉え、その奥底へと吸い込んでしまいそうなマットな黒。BMW X7 M60i xDrive “BLACK-α”のボディを包み込むのは、特別色であるBMW Individual フローズン・ブラック。さらにモデル名のバッジに至るまでブラックに染めあげられ、この一台が特別なコンセプトを纏ったモデルであることを強く主張します。

足元で輝くのは、バイカラーの23インチ BMW Individual ライト・アロイ・ホイール。そしてヘッドライトを点灯すれば、BMWクリスタル・ライトの煌めきが前方を照らし出します。

何色にも染まることのない、絶対的な黒。その内から放たれる、鮮烈かつ優美な光。

BMW X7 M60i xDrive “BLACK-α”。それは“美しき黒”の世界を体現する、高貴なる一台です。

BMW X7 M60i xDrive “BLACK-α”

INTERIOR​

その艶めきにヨーロッパの人々が嫉妬し、英語で“Japan”と称された漆。今回のプロジェクトで私たちが目指したものは、これまでのいかなる世界とも異なる、漆黒の美です。

西欧世界が生み出したピアノ・ブラックの上から、その美のルーツとも言える漆の加飾を施したトリムとコンソール。フロア・マットにおいても“美しき黒”の世界を探究するとともに、専用インテリア・バッジも空間全体との調和を追求し、真鍮に銀を加工して制作されました。

すべてに妥協なく注ぎ込まれた、繊細な感覚と熟練の技巧。常に進化を続ける名匠たちの情熱が、どこまでも深く輝く黒のエレガンスとなって結実しました。

BMW X7 M60i xDrive “BLACK-α”

INTERIOR TRIM & CENTER CONSOLE PANEL

BMW X7 M60i xDrive “BLACK-α”

形なきものを感じ、輝きをもって描き出す。

ドアを開けた瞬間に目を奪う、インテリア・トリムとセンター・コンソール・パネル。伝統に裏打ちされた細やかさとモダンなデザインが織りなす装飾は、漆芸家である服部一齋氏の手から生み出されました。今回のプロジェクトにおける着想について、服部氏はこう語ります。

「漆は“古典的な工芸”という感覚で見られているので、このお話をいただいて最初に頭に浮かんだのは、クルマの室内を絢爛に彩るようなイメージでした。でもこのモデルのコンセプトを聞いて改めて考えた時、この『時つ風』というデザインが浮かんできたんです。

『時つ風』というのは“ちょうど良い時に吹く追い風”のこと。自然のなかで誰にでも吹くチャンスのある風。駆けぬける歓びとともにある風。そんな意味も込めて、今回の作品に素晴らしくマッチしているんじゃないかと。これしかないな、と思ったんです」

漆芸家/蒔絵師 服部一齋

服部氏が考案し、自身の作品でも使われる『時つ風』のデザイン。しかし今回の制作においては、普段とは異なる特別な点があったといいます。

「いつもは金蒔絵を使うことが多いですが、今回は“BLACK-α”のコンセプトから銀蒔絵で仕上げています。さらに大きく違うのは、手を加える素材が既に完成されたプロダクト、工業製品だということです。工業製品に手作り感の強いものが乗ると、混じり合わないというか、物凄くじじむさい(=野暮ったい)ものに見えてしまいます。ですので、手作り感を極力出さないよう綺麗にピシっと仕上げるというところには神経も使いますが、同時に見せ所でもあるのかなと思っています」

漆芸家/蒔絵師 服部一齋

さらに、ピアノ・ブラックの上への加飾という点においても難しさがあったと、服部氏は明かします。

「今回は漆で図柄を描いた上に銀粉を蒔き、さらに全体に漆を塗りかぶせ乾燥させた後で、木炭を使いその漆を研いでゆく『研出(とぎだし)蒔絵』という手法を使っています。ただ、漆を研いで蒔絵を出してゆく際にほんの少しでも木炭がピアノ・ブラックの塗装面に触れてしまうと、修復できない傷になってしまうのです。でもはみ出しを恐れていると、今度は漆のキワまで均等に研げなくなってしまう。ピアノ・ブラックを一切傷つけず、かつ漆の厚みを均等に研いで銀粉を粒子レベルで浮き上がらせてゆく。いちばん緊張感があったのはこの作業ですね」

と、研ぎ終えた作品を見ながら振り返ります。

漆芸家/蒔絵師 服部一齋

“今”やるべきことを、しっかりとやり切る。

多岐にわたる工程、そのどれもが精密な技術を要求される漆芸。その真髄と魅力を、服部氏はこう述べてくれました。

「どの作業も後の工程で取り返すことはできません。ですので、次のために一つひとつを“今” しっかりと、丁寧にやるということに尽きます。きちんとやってやれば、作品がその結果をきちんと返してくれる。だからどんな小さな作品でも、細部にまで意識を行き渡らせています。

漆芸というのは他の伝統工芸に比べて、非常にたくさんの多様な素材を使えるということが大きな魅力です。僕らが使う素材はすべて天然のもの。だからこそ素材のことを熟知していないといけない。ただ技法だけ習得しても、良いものはできません。そして“今”に甘んじることなく、常に新たな素材や可能性を探しています」

最後に、BMW X7 M60i xDrive “BLACK-α”のシートに座った時、何を感じて欲しいかを聞いてみました。

「一般の方が見る漆芸というのは、大体がお椀や塗り箸といったものだと思います。ぜひトリムなどを間近で見ていただいて、いままで自分が触れてきた漆芸との違いにワクワクしてもらいたいです。非常に繊細ではあるけれども、漆芸というのはもっと自由で、色々な表現の幅があるものだよ、ということを感じて欲しいですね」

服部氏はそう言って、目を細めました。

服部一齋

漆芸家/蒔絵師 服部一齋

服部一齋

漆芸家/蒔絵師

1975年京都生まれ。国立高岡短期大学専攻科を卒業し木工会社に勤務した後、2001年に父である服部峻昇に師事。2018年独立。日工会展 日工会賞や工芸美術 創工会展 京都府知事賞などを受賞。伝統を受け継ぐ精緻な技巧を駆使しつつ、常に斬新な着想をもって漆芸の新たな地平を切り拓いている。

FLOOR MAT

BMW X7 M60i xDrive “BLACK-α”

理想の黒を追い求める、答えのない試行錯誤。

それぞれのシートで、乗員の足元をやわらかに包み込む無数のパイル。“BLACK-α”のロゴが入ったモノトーンのフロア・マットはBMW X7 “NISHIKI LOUNGE”に引き続き、国内有数のファブリック・メーカーである川島織物セルコンの職人たちの手仕事によって制作されました。

今回選ばれた意匠は『アサナギ(朝凪)』。同社でも長く愛され、様々な色で展開されているこのモチーフをセレクトした理由を、デザイン担当の森崎氏が説明してくれました。

「BMWのスローガンである『駆けぬける歓び』と、トリムやコンソール部分の『時つ風』というテーマからこの柄を選びました。早朝の海辺、ほぼ無風の静寂な空間。心を穏やかにする、どこまでも深く澄んだ漆黒の水面にふとした瞬間『時つ風』が駆けぬけ、わずかに水面を揺るがす。そのようなイメージをもって、この意匠を選びました」

BMW X7 M60i xDrive “BLACK-α”

2024年のミラノデザインウィークに、川島織物セルコンは『百の黒 – A Hundred Black』をテーマに出展。材料や織り方、パターンの変化により100種類の異なる黒の織物を作り出すという高度な技術力を世界に示しました。今回の素材であるウールを染色するにあたっては、その知見を生かしながらさらなる色のチューニングを施したと担当の山縣氏が明かします。

「漆のイメージに近い“濃さ”を意識して染色を行いました。今回は2色の黒糸を使っているのですが、染料の青みが少し強かったために黄と赤を配合して足し、静かな深みのある色へと近づけていきました。そのうえでそれぞれのトーンのバランスを整えるなど、微細な調整を施していったのです」

こうして染め上げられたウールはBMW X7 “NISHIKI LOUNGE”の時と同じく、基布に職人がタフティングガンで糸を打ち込む「ハンドタフト」の技法によって、1枚のラグへと姿を変えます。

「『アサナギ』の意匠には細くすぼまる部分などもあり、それを一つひとつのパイル粒子が大きなタフトで、いったいどこまで表現できるのかという懸念はありました。現場とコミュニケーションを密に取りながら、表現を崩さぬように可能な限りのことをしてもらいました」

と、森崎氏が今回のチャレンジについて語ってくれました。

すべての原動力は、乗る人への想い。

作業の詳細について、前回に続きタフティングを担当した小寺氏が解説します。

「今回は『時つ風』に僅かにうねる水面、ということで、『アサナギ』の図柄に流れがある点が最大の特徴でした。流れの途中からタフティングガンを打ってしまうと、そこから唐突に強い風が起こったような表現になってしまいます。そうならぬよう、図柄の端から『時つ風』の流れをイメージして打つ必要がありました。前回のBMW X7 “NISHIKI LOUNGE”で制作したフロア・マットは表面をフラットに仕上げましたが、今回は打ち込むパイルの長さを2段階にするとともに“チップシャー”という削り加工を施して、マット表面に立体的な表情を与えてうねりやゆらぎを表現したという点も、新たな試みだったと思います」

さらに今回のフロア・マットは、世界3大デザイン賞のひとつに数えられるドイツのRed Dot Design Awardにて、2025年に受賞を果たした同社のラグ・コレクション『KOTOSOME(コトソメ)』の「ZENGARDEN」同様に工場内で一貫生産されており、防汚加工や抗菌加工といった機能性も備えているという*。

「ウールを防汚加工や抗菌加工するための薬品は、元々染色の処理を想定していないものでした。防汚や抗菌の機能性を損なうことなく、染色の品質はもちろん、色を安定して再現できるように運用面までを考えて、加工手法を構築することが最も大変でした」

と、その加工の困難さを山縣氏が振り返ります。


*本モデルのフロア・マットは、土足での使用が想定されるホテルのロビー等のマットと同等の防汚性や耐久性、防災性を有していますが、高い品質と風合いを重視した自然素材(ウール)を使用しており、ポリプロピレン等の化学繊維を使用した通常モデルのフロア・マットと同レベルの防汚性や耐久性はありません。

BMW X7 M60i xDrive “BLACK-α”

「色々と苦心したところもありますが、細かい技法といったことよりも、乗られる方がウールの持つボリューム感や独特の風合いを感じ、クルマという空間を心地よい自分だけの空間として味わっていただく、そのお手伝いができたらなと思っています。

ざっくばらんな言い方をしますと、今回のフロア・マットには惜しみなくタフトを打ち込んで仕上げています。本来は室内で使っていただける、それも頬ずりをしていただいても良いぐらいのものになっています。ぜひその質感を感じながら、異なる2つの黒が織りなす表情も愉しんでいただくことができれば、私たちとしてはとても嬉しいです」

チームを代表して森崎氏がそう述べると、メンバーも皆笑顔で頷きます。そこにはひとつのプロジェクトを達成した、心地よい充足感があふれていました。

川島織物セルコン

川島織物セルコン

川島織物セルコン

1843年に京都で創業。帯や打掛、緞帳からカーテン、インテリア雑貨、床材、壁装材に至るまで、その事業は多岐にわたる。そのような環境のなか、職人たちは培われた伝統的な技術に最新鋭の現代技術を掛け合わせながら、織物に秘められた無限の可能性を探究し続けている。

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EXHIBITION

BMWブランド・ストア『FREUDE by BMW』にて展示。

BMWと日本の名匠プロジェクトが生み出した漆黒の美の体現者、BMW X7 M60i xDrive “BLACK-α”。 5月9日(金)より、東京・麻布台ヒルズのBMWブランド・ストア『FREUDE by BMW』にて特別展示いたします。

崇高な黒と輝きの世界を描き出す特別な一台。ぜひご来場のうえ、その美しき世界をディテールに至るまでご堪能ください。

BMW X7 M60i xDrive “BLACK-α”

展示情報

会期:2025年5月9日(金)〜6月25日(水)

会場:『FREUDE by BMW

住所:東京都港区麻布台 1-3-1 麻布台ヒルズ タワープラザ 1F/2F

営業時間:11:00am~10:00pm(年中無休)​

※営業時間は予告なく変更となる場合がございます。最新情報は公式Instagramをご確認ください。

BMW X7 “BLACK-α”

BMW X7 “BLACK-α”

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