クルマの未来への投資。

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BMWグループは、グローバルな研究開発ネットワークであるBMWリサーチ & イノベーション・センター(FIZ)の近代化プロジェクト「FIZ Future」の一環として建設された「Projekthaus Nord(プロジェクト・ハウス・ノルト)」の開設を発表しました。エッフェル塔の2.5倍に相当する18,000トンもの鉄筋が使用されたこの多機能ビルには4,800人を超えるBMWのエンジニアがネットワーク化された作業環境下で、未来のモビリティの開発に取り組んでいます。

2020/12/21

「メガ、ギガ、唯一無二」。BMWグループのCEO、オリバー・ツィプセが記念スピーチで冒頭に述べた3つの言葉は、この施設の完成が、ミュンヘンを本拠地とする自動車グループの研究開発に何をもたらすのかを強く示唆しています。「FIZ FutureはBMWにとって、この10年における最大のプロジェクトのひとつと言えるでしょう。FIZは、私たちのすべての研究開発活動の中枢となる機関です。」と彼は続け、それが自動車の未来への投資であると同時に、研究拠点としてのドイツへの貢献でもあると語っています。

1990年の開設以来、常に発展を遂げてきたBMWリサーチ & イノベーション・センター(Forschungs- und Innovationszentrum、FIZ)の新たな施設は、オフィス・フロアとワークショップ・エリアにプロジェクト志向のネットワーク化されたオペレーションを構築します。サッカー競技場37.5個分に相当する総面積150,000平方メートルの空間では、4,800名のエキスパートが2〜10年後に路上を走行する次世代車両の開発に取り組んでいます。

開発部門の取締役会メンバーであるフランク・ウェーバーは次のようにコメントしています。「BMWは、他に追随を許さない高度なテクノロジーを軸とするブランドです。その技術の心臓部は、最も重要な研究開発の拠点であるこのFIZで脈打っています。新しいFIZ ノルトには、私たちの強みである革新性と未来に不可欠な競争力が集約されています。100のテストベンチ、200のラボ、それぞれの作業環境が有機的に繋がるまさに研究開発の最先端と言えるこの場所で、専門家たちが未来を生み出しているのです」。ビル内には、高度なセキュリティが保たれた試験施設やプロトタイプの製作エリア、およびワークショップ・エリアが備わっています。オープンなオフィス・フロアでは、BMWの開発者がコンピュータに打ち込んだ着想のすべてを、その場ですぐに、最短のプロセスでカタチにすることができるのです。

開放的で見通しの良い構造のビルには、チームのコミュニケーションを重視するFIZの基本理念に則った、建築上の特徴的なディテールがあります。それは、アトリウムの階段です。階段に腰掛けることのできる設計が、フロア間や分野間の学際的な交流を促します。現在は、コロナウイルス感染拡大防止のため、ソーシャル・ディスタンスを保った席の間隔で利用されています。従業員はほとんどの位置からコミュニケーションをする人々や新製品、またはモダンなインテリアに目を配ることができ、同時に大きな窓から自然光が降り注ぐ、開放的な雰囲気も味わうことができます。

プロジェクト・ハウス・ノルトは、建物が自ら思考する“スマート・ビル”です。例えば、ビルは日中と夜間を認識し、合計20,000個のLED照明を自動的に制御しています。その一方で、一人ひとりが個別に設定することも可能で、従業員は各自の作業スペースの照明をスマートフォンで調整することができます。この技術によって37%ものエネルギーが節約され、約200トンものCO2削減を実現しています。

先進的で質の高い作業環境だけでなく、ミュンヘン北部の中心という、公共交通機関でも通勤しやすい好立地にあることも大きな魅力です。最初にここへ移動してきたメンバーは、すぐにその快適さを実感するようになりました。さらにプロジェクト・ハウス・ノルトでは、大型の社内レストランも完備。アジア料理からイタリアンまで、幅広い好みに応じた6つのパビリオンを備えています。ミュンヘンにおけるBMWグループ労使協議会会長、マンフレート・ショッホ氏は、こうした労働条件・労働環境は現在の自動車業界で最も先進的なものであると語っています。

BMWグループは、FIZ複合施設全体で2万を超えるサーバーに接続しています。プロジェクト・ハウス・ノルトは、さまざまな部門をより安全なデジタル・ネットワークで繋ぐという使命のために、あらゆるシステムを強化してオープンに備えました。そして当日、大々的なカウントダウンが終わった瞬間に、テストベンチをはじめとするビル内のすべてのデジタル機能が一斉に稼働し始めました。

プロジェクト・ハウス・ノルトは、さらなる能力の向上と効率化を目指し、BMWグループの開発技術を拡充および体系化する長期的なプログラム「FIZ Future」のファースト・フェーズとして新設されたものです。国際的な建築事務所Hennとランドスケープ・アーキテクトのTOPOTEK 1がBMWグループのために共同でプロジェクトを進め、2050年までにはFIZのエリアを最大50%拡張する予定です。拡張は、敷地内の個々のセクターを結びつける主要道路に沿って行われます。 

周辺地域も巻き込みながら発展を目指す「FIZ Future」は、大規模な都市開発プロジェクトであるとも言えます。例えば、FIZと近隣エリアを繋ぐ庭園を作ったり、小売、サービス、その他の商業用途で利用できる約5,000平方メートルのスペースを確保する計画も進められています。

「ドイツそしてヨーロッパにおける最も重要な財産は、人と、人々が持つノウハウです。」BMW CEOのオリバー・ツィプセはそう語り、産業から得られる収入を研究と開発により多く投じると述べています。 自動車の国際的な未来に投資するために、BMWグループはFIZ Futureとともに前進し続けます。

※ 「Projekthaus Nord(プロジェクト・ハウス・ノルト)」の開設発表の式典は、コロナウイルス感染対策の中、行われました。

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