超広帯域技術とはいったい何なのか

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BMWは、BMW iXに超広帯域(UWB)技術を搭載し、BMWデジタル・キー・プラスに利用しています。UWB技術によって、車両キーを使用する際のセキュリティや利便性が向上するため、クルマの所有者にとってさまざまなメリットがあります。しかし、UWBとはどういったもので、どのように機能するのでしょうか?UWB技術が秘めているポテンシャルや、BMWデジタル・キー・プラスにどのように役立つのかを解説します。

2022/3/8

UWB技術とは

UWB技術とは、BluetoothやWi-Fiのような、近距離の電波式の無線通信プロトコルです。ただし、他の無線技術と比べて、アプリケーションの利用可能性やセキュリティ・レベルが飛躍的に向上しています。この技術は新しいものではなく、主に高度な医療機器などの専門的な目的で利用されてきました。最近では、スマートフォンなどの日常的に利用するデバイスやクルマに標準装備されたことで、一般のユーザーにも幅広く使われるようになってきています。UWBにはさまざまな活用方法がありますが、クルマの所有者にとっては、高い正確性と精密な位置検出機能が大きな利点となります。

UWBによって、基本的に最大20メートルの範囲内での高精度な位置検出が可能です。複数のUWB電波をひとつのネットワークに組み合わせることで、付近にあるUWB搭載のモバイル機器の位置を正確に特定することができます。

Wi-FiやBluetoothのようなよく知られた技術と同様に、最新のスマートフォンにはUWB搭載チップが組み込まれており、ますます普及が進んでいます。

UWB技術はどのように機能するのか

UWB技術は、499.2 MHzの非常に広い帯域幅を使用します。一方、Wi-Fiは20~160 MHz、Bluetoothは80 Mhz程の帯域しか使用しません。他の無線技術では、利用可能な帯域を分割することで高いデータ・レートを実現したり、複数のデータ・チャンネルを同時に利用したりすることが可能であるのに対し、UWBは帯域全体で非常に短いパルスを送信します。UWBのパルス持続時間はわずか2ナノ秒で、他の無線アプリケーションでデータ転送に使用されるパルス持続時間に比べて、ごくわずかです。電波は光の速さで伝達するため、パルス持続時間を可能な限り短くすることにより、正確な位置測定を実現しています。非常に少ないUWBパルスで正確な測定を行うことができ、遅延を生じさせることなく、瞬時に位置情報を得たり、動いている対象物をリアルタイムで追跡したりすることができます。

UWB技術は人やクルマにどのように役立つのか

UWB技術が、クルマを所有する人にとって最も役に立つのは、車両キーの位置を正確に検出できる点です。クルマにUWBアンテナが装備されると、他のUWB搭載機器を瞬時に正確に認識できるようになります。デジタル・キーをインストールしたスマートフォンがポケットに入っていても認識されます。クルマは、デジタル・キーを持った人が近づいてくるのを検知すると、自動でロックを解除したり、ライトを点灯させたり、あらかじめ設定された機能を起動させたりします。

また、UWB技術は、車両キーが持ち運ばれているときであっても、リレー攻撃を不可能にすることができます。なぜなら、UWBチップが常に車両キーとクルマの直線距離を測定しており(光の速度を測定)、車両キーが物理的に車内にない場合にはエンジンの始動を阻止するからです。

BMWデジタル・キー・プラスのご紹介

BMWドライバーは、BMW iXと新しいオプションのBMWデジタル・キー・プラスで、UWBを搭載したデジタル・キーを所有できるようになります。

BMWデジタル・キー・プラスを持っていれば、ポケットからスマートフォンを取り出さなくても、クルマに近づいただけで、BMW iXはライトを点灯させてあなたを歓迎し、ドア・ハンドルに到達する直前でロックを解除します。UWB技術がスマートフォンに「照準」を定め、デバイスとクルマとの距離を自動で認識して、必要な動作を開始します。さらに便利なことに、スマートフォンをスマートフォン・トレーに置かなくても、エンジンを始動させることができます。車内に入ると、UWBチップによって車両キーの所有者が乗車していることが検知されるため、ボタンを押すだけでスタートできます。これほど簡単なことはありません。

運転中は、ワイヤレス充電トレーにスマートフォンを置くことでワイヤレス充電ができます。スマートフォンのバッテリー残量が少ないときでも、スマートフォンをドア・ハンドルにかざせば、NFCテクノロジー*によってBMW iXのロックを解除することが可能です。

*注意:低電力モードの有無はスマートフォンの機種によって異なります。

BMWデジタル・キーの業界標準化で、UWB技術がマス・マーケットに普及

BMWは、デジタル・キーのサステイナブルなエコシステム構築に向けた取り組みに注力し、業界標準化を積極的に支援しています。そのために、BMWのエンジニアや開発者は、カー・コネクティビティ・コンソーシアム(CCC)(※リンク先は英語です)と密接に連携しています。CCCは、業界をリードするデジタル・キーの世界的な標準規格の策定と認証プログラムの構築を目指している団体です。2018年にCCCは、UWBが優れたセキュリティとユーザー・エクスペリエンスを提供し、受動的に位置情報を検出するキーレス・アクセスが可能なデジタル・キーを実現するための理想的な技術であると定め、推進していくことを発表しました。

その後、UWBは産業用技術からマス・マーケット用技術へと発展し、業界全体で標準化したエコシステムへと成長していきました。

技術の業界標準化は、日常的な利用に多くのメリットをもたらします。真に役立つデジタル・モビリティ・ソリューションの需要が高まっている中で特に重要なのは、スマートに統合されたソフトウェアとハードウェアによって、日常的にクルマを利用するドライバーに役立つ長期的なソリューションを提供することです。

画像:BMW;記事:David Barnwell;アニメーション:Chris Faber

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