新たに導入されたBMWナノファイバー・フィルターの特徴

この記事を読むのに必要な時間:約7分
花粉、すす、細塵、バクテリア、粒子状の汚染物質…。健康や環境への意識がますます高まる中、私たちは呼吸する空気の“質”に関してもより大きな注意を払うようになっています。この記事では、空気の質が日常生活に与える影響と、より効果的な改善策について探っていきます。

2021/10/5

「良い空気」と「悪い空気」

まずは、「良い空気」と「悪い空気」が具体的に何を意味しているのかを考えてみましょう。一般的に、科学者や研究者が空気の質について語る時、それは私たちを取り巻く大気の状態を指しています。大気中には煙やすすなどの人工汚染物質だけでなく、花粉、ほこり、塵、微生物といった自然汚染物質も含まれます。自然のものであれ、人工的なものであれ、空気の質の良し悪しを決めるには、いくつかの要因が存在します。

自然のものであれ、人工的なものであれ、空気の質の良し悪しを決めるには、いくつかの要因が存在します。

しかし、これらの汚染物質に共通しているのが、顕微鏡でしか確認できない微粒子であるという点です。空気中には複数の発生源からの様々な汚染物質が含まれますが、それらを肉眼で確認することはできません。つまり、私たちは空気がクリーンなのか汚れているのかを見分けることができず、影響があってもすぐにそれを認識するとができません。実際、汚染された空気にさらされていたにも関わらず、その有害性に気付いたのが数年後だったというケースも少なくありません。

「空気」といえば、青い空のように屋外にあるとイメージしがちです。しかし、屋外と同様に屋内においても、空気の質は私たちにとって非常に重要な問題です。そしてそれは、車内の空気にも当てはまります。

屋外と同様に屋内においても、空気の質は重要な問題です。そしてそれは、車内の空気にも当てはまります。
BMWの新しいナノファイバー・フィルター技術は、ナノ・フリースと活性炭を組み合わせ、空気中の有害な微生物粒子や汚染物質の侵入をブロックします。

微粒子に対する大きな効果

BMWのエンジニアにとっても、車内における空気の質の改善は、急務となっていました。ドライブ中の空気環境にも注意を払う方が増え始めたため、BMWはその声に素早く応えるべく、空気清浄に役立つ内装用フィルターの開発を加速しました。

とはいえ、先進的な空気清浄ソリューションの開発は、BMWオーナーにとってそれほど新しいニュースではありませんでした。なぜならBMWは、1998年にはすでに活性炭と従来型の粒子フィルターを組み合わせた、「コンビ・フィルター」を導入していたからです。さらに、特に中国や韓国において空気の質に関する厳格な調査が行われるようになったこともあり、中国では2015年に、韓国では2020年に、より高機能な細塵フィルターが標準装備されるようになりました。それ以来、世界中のBMWオーナーは、この細塵フィルターをオプションで装備することが可能になっています。

“BMWでは1990年代初頭から最先端フィルター・システムの開発に積極的に取り組んできました」とBMW Groupのクリスチャン・ロスコフ博士は語ります。「しかし近年、加速化する都市公害への対応が求められるようになり、BMWはより画期的なフィルター技術の開発・導入を早急に実現しようと考えました。”

この開発の成果が、2020年秋より導入された革新的なナノファイバー・フィルター技術です。

このナノファイバー・フィルターは、吸気口とキャビン内のクライメート・システムの間に、従来のエア・フィルターと同じように装着されます。ナノファイバー・フリースと活性炭が複雑に入り組んだ超微細な「ネット」で構成され、一酸化炭素や窒素酸化物の侵入を防いで乗員を保護します。現行のフィルターと比べると、有害な粒子の除去率が最大40%もアップ。この有害粒子には、超微小なバクテリア粒子、花粉などのアレルギー誘発物質、煤煙、排出粒子、100ナノメートルの超微細粉塵が含まれます。ちなみに、1ナノメートルとは百万分の1ミリと等しい大きさで、人間の毛髪の直径は約70,000ナノメートルです。

しかし近年、加速化する都市公害への対応が求められるようになり、BMWはより画期的なフィルター技術の開発・導入を早急に実現しようと考えました。
クリスチャン・ロスコフ博士

BMW Group エキスパート

深呼吸をしよう

深刻化する大気汚染問題に人々の関心が高まったこともあり、BMWエンジニアが数年間に渡って手がけてきたナノファイバー・フィルター技術の開発が、さらに加速しました。そして2020年、新たなフィルター技術の車両への導入がついに実現しました。

新たに導入されたナノファイバー・フィルターは、BMWの外気品質測定技術と連動しています。車両周辺の空気の質を測定し、それに応じて自動的に車内のAirFlush(換気)モードを起動させるシステムで、これにより車内の空気のほとんどを、わずか数分で浄化することができます。また、この機能は手動によるオン/オフも可能です。さらに、BMW Connectedアプリを使用すれば、次の乗車までに車内の空気清浄を済ませておくよう設定することもできます。

「空気の質を常に測定・把握した上で悪影響を防ぐことは、車内/車外を問わず、私たちの健やかな生活にとって極めて重要なことです」と、クリスチャン・ロスコフ博士は語ります。

“私たち人間にとって、空気は最も重要な生命の源です。排出基準を適切に満たすクルマをお届けすることはもちろんBMWの重大な義務ですが、同時に、革新的かつ直感的に操作できるソリューションをドライバーに提供することも私たちの使命です。この目的を達成するため、BMWは新しいナノファイバー・フィルターの開発を加速させ、当初の予定よりも早く導入しました。BMWは、クリーンな空気環境の重要性を強く認識し、車内/車外を問わず、ドライバーや乗員の健康を維持するために、自分たちの役割を果たしたいと考えています”

ナノファイバー・フィルターの仕組み

汚染物質を除去し、空気の質を改善する、革新的なBMWナノファイバー・フィルター技術の仕組み

外気は車両のフロント部分から取り入れられ、エア・フィルター・ユニットへと到達します。ここで、新たに開発されたナノ・フリースと活性炭層を含むナノファイバー・フィルターの超微細コンポーネントが、有害な微小粒子を吸着し、室内への侵入をブロックします。浄化された空気は、クライメート・コントロール・システムによって車内に行き渡り、車両後方の通気孔から排出されます。

車両のクライメート・コントロール・システムのAirFlush(換気)モードをオンにすれば、車内の空気のほぼすべてをわずか数分で浄化することが可能。この換気機能は外部センサーを利用して自動的に起動させたり、BMWライブ・コックピットやBMW Connectedアプリで手動により操作することもできます。

※BMW ConnectedDriveアプリは、日本国内非対応です。日本国内でご使用いただけるMY BMW アプリをご利用ください。

記事:デイビッド・バーンウェル
イラスト:シプリアン・ロスリンガー