サーキュラー・エコノミーの重視:2040年に向けたサステイナビリティ

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サステイナビリティを重視:BMWは未来に向けて循環型社会の原則を重視しています。サーキュラー・エコノミーの機能、CO2排出量削減の可能性、サーキュラー・エコノミーがラグジュアリティをまったく犠牲にしない理由など、ここでそのすべてを知ることができます。

2022/1/11

BMWのエンジニア、科学者、エキスパートのおかげで、私たちは2040年を展望することができます:BMW i Vision Circular(➜RE:BMW CIRCULAR LABも閲覧)は、サステイナビリティとラグジュアリティを重視したコンパクトな完全電動自動車が将来どのようなものになるかというBMWのビジョンを示しています。その名称が示すように、デザイン・マントラはサーキュラー・エコノミーの原則に沿ったものです。

サーキュラー・エコノミーを一貫して追求することは、さらなるサステイナブルな未来への鍵となります。

しかし、サーキュラー・エコノミーとは一体何を意味するのでしょうか?多くのリソースは限られていますので、経済全体が「取る、作る、廃棄する」という直線的な原則から、何も廃棄しない真のサーキュラー・エコノミーへと大きく変わらなければなりません。サーキュラー・エコノミーの目的は、既存の原材料や製品をできるだけ長く維持、リサイクル、修理、共有することです。この考え方は、サステイナブルな環境保護につながります。

CO2排出量の大幅な削減が必要

車両のライフサイクル全体においてCO2排出量を削減することは、気候変動に対する中立性を追求するBMWグループの最優先事項です。なぜなら、車両が走行中に消費し、排出するものだけが重要な要素ではないからです。走行前と走行後も同様に重要なのです。では、どのようにすれば最小限の環境負荷でクルマを生産することができるのでしょうか?そして、クルマの廃棄の際にはどのようなことが起こるのでしょうか?サーキュラー・エコノミーの原則が提供するビジョンとは、BMW i Vision Circularのように車両をすべて再生資源で生産し、最初から、分解と最適なリサイクルを考慮しながら設計することです。

基本的エレメントとしてのサステイナビリティ

BMWグループは、エネルギー要件からサプライ・チェーンや生産、そして使用と処理サイクルに至るまで、2050年までに完全なカーボンニュートラルの達成を目指します。この達成のためには、生産の早い段階からできるだけ資源効率に優れた車両を設計しなければなりません(➜詳しくはこちら:BMWがクルマをサステイナブルに生産する方法)。この考え方は、製造に使用されるエネルギーに関係するだけでなく、リサイクル材料の使用にまで適用されます。例えば、世界中にあるBMWグループの工場で使用されるエネルギーは100%グリーン電力です。サプライ・チェーン内の循環も常にチェックされています。コバルトやリチウムなど、重要な原料をバッテリー生産に使用しなければならない場合、これらを決して紛争地域から調達せず、材料の使用量も必要最小限にとどめています。

生産車両1台当たりのエネルギー消費量は、2006年以降55%削減されています。しかし、これだけでは十分ではありません:CO2排出量は2030年までに40%削減することになっています。これは約2億メートルトンのCO2に相当します。これは、生産、リサイクル、バリューチェーン(価値連鎖)全体を含め、BMWグループ車両のライフサイクル全体に適用されます。サステイナビリティは、BMWグループの行動全体を方向づける中核的な要素です。

BMWは、個人用モビリティのソリューションに対する最もサステイナブルなメーカーとなることを目指しています。

環境への投資

この戦略における重要な要素は、革新的なバッテリー駆動車を各種クラスで提供することです。2025年までに全BMW車の25%が電気モデルになり、(➜詳しくはこちら:電気自動車とプラグイン・ ハイブリッド・モデルの特徴)、その割合は2030年には50%になる予定です。電気自動車について語る:高電圧バッテリーは現在その90%がリサイクル可能です。その一方で、BMWグループのクルマでは95%がリサイクル可能となっています。例えば、IAA 2021で発表したBMW i Vision Circularと同様に、廃棄材料はリサイクルされ、二次アルミや二次スチールは抽出後に再利用されています。

このようなやり方は、原材料を抽出したり生産したりするよりもはるかに環境に優しく、CO2に大きく依存しないやり方です。現在、BMWグループで生産されるクルマの30%程度が、リサイクルおよび再利用された材料で製造されています。しかし、BMWでは目標をさらに高く設定しており、「二次材料を優先使用」するアプローチはこの数字を徐々に50%に上げることを目的としています。BMWでは、代替材料がまったくない場合のみ、新たに採掘した原材料を使用しています。BMWは、最もサステイナブルな自動車メーカーになることを目指しています。

BMW i Vision Circularに関する5つの事実

  1.  サーキュラー・エコノミーが最優先事項
  2.  サーキュラー・デザインにおける4つのRE:       RE:THINK(再考)、RE:DUCE(削減)、RE:USE(再使用)、RE:CYCLE(リサイクル)
  3.  ミニマリズムが最大の目標
  4.  ラグジュアリティを兼ね備えたサステイナビリティ
  5.  双方向充電が可能な電気駆動

将来を見据えた明確な目標設定

BMW i Vision Circularでは、BMWグループのさらなる循環型の未来がどのようなものになるのかを確かめることができます。「BMW i Vision Circularは、サステイナブルなモビリティに対するBMWの包括的かつ一貫した考え方を示しています。サーキュラー・エコノミーの進展におけるパイオニアになりたいというBMWの熱望を示すものでもあります。」とBMWのCEOであるオリバー・ツィプセは説明します。ツィプセはさらに次のように述べています。「BMWは、生産から車両のライフサイクル全体に至るまで、資源効率における主導的地位を拡大したいと考えています。」

サーキュラー・デザイン ― 4つのRE:

RE:THINK(再考)

― 比喩的に言うと:裏返されていない石はない(すべての手が尽くされた)ビジョン・ビークルと、何よりも材料リサイクルを含む製造プロセスが徹底的に再考、開発、最適化されました。

RE:DUCE(削減)

― 削減はどこでも可能:前進のための手段としてデジタル化を活用する制御エレメントのみならず材料の使用においても、環境保護、コスト削減、ドライバーの注意散漫の低減につながります。

RE:USE(再使用)

― 再製造と再設計を通じてライフサイクルを伸ばすという目的があります。取り外しが簡単な接続部分を設けることにより、個別の材料やコンポーネントの取替がはるかに容易になり、車両を繰り返し作り直す機会が生まれます。

RE:CYCLE(リサイクル)

― 使用材料については、製品ライフサイクルの終了時に再利用することになっているリサイクル材の使用を重要視します。効果的なリサイクルにとって鍵になるのは、単一素材から成る様々な材料群を少なくすることであり、そのような相互接続可能なコンポーネントは容易に分解することもできます。

この研究プロジェクトの開発プロセスにおける包括的なデザイン・ゴールは、クローズドマテリアルループのために最適化され、リサイクル材を100%使用した車両あるいは、リサイクル性100%の評価を受けた車両を作り上げることでした。製品ライフサイクルをすでに過ぎた材料も、バイオ素材の原材料に加えて使用されています。これは、例えばエネルギー貯蔵にも適用されています。BMW i Vision Circularの個体電池は完全にリサイクル可能であり、そのほとんどすべてがリサイクル・ループから生じた材料から作られています。

私たちは、BMW i Vision Circularの設計プロセスの当初から、循環性について組織的に取り組んだのです。
アドリアン・ファン・ホーイドンク

BMWグループ・デザイン部門長

デザイン:これまでに見たことのないもの

BMW i Vision Circularは、デザインの点でもまったく新しい境地を切り開き、キドニー・グリルのデザインだけでもそのことを証明しています(➜詳しくはこちら:BMWキドニー・グリルのストーリー※リンク先は英語サイトです)。バーの付いたクロム製フレームでなく、BMW i Vision Circularのキドニー・グリルはデジタル面として表示されています。つまり、キドニー・グリルの表面自体をフロントの横幅全体を超えて広げることができ、ヘッドライトとキドニー・グリルを単一のエレメントにすることができるのです。同時に、キドニー・グリルの表面はグラフィック・インターフェースとなります。将来的には、デジタル表示はライトやバンパーの幾何学的形状を必要としなくなり、材料は工具の節約に役立つ可能性があります。BMW i Vision Circularに、そのブランドの歴史を定義するためのトリム・エレメントを追加する必要ありません。不必要なパーツの追加を回避するため、ブランドのエンブレム(➜ 詳しくはこちら:BMWロゴ – 由来と歴史)はフロント部分に銘記され、車両レタリングはレーザーで刻印されています。

BMWはその製品にある明らかな矛盾を解決する方法を常に理解してきました。
ドマゴイ・デュケッツ

BMWデザイン部門長

省略の美:サステイナビリティとラグジュアリティは相反するものではありません。

BMW i Vision Circularでは、塗装仕上げも意図的に省略されました。その代わりに、ボディは二次アルミからの軽量ゴールドで陽極酸化仕上げされました。ここで使用された熱処理が特別な色合いを生み出しました。省略のメリット:金属の原材料としての側面が保たれ、最適なリサイクル性を実現します。リヤのディスプレイ面とライト機能はすべて、フロントと同じ方法でダーク・ガラスのテールゲートに見えない形で一体化されています。その下の空気力学的に最適化されたバンパーも、リサイクル・プラスチックで作られ、リヤのデザインを完成させるのです。もちろん、循環性はタイヤで終わるわけではありません。タイヤはサステイナブルな方法で栽培された天然ゴムから製造されます。

各種材料は最小限に抑えられています。

BMWは、乗員のニーズへの対応を忘れることなく、インテリアにおいても循環性を絶えず追求しています。意識的な材料の選定(➜詳しくはこちら:意識が、未来を変える。)とラグジュアリティは互いに相反するものではないからです。分解の容易さと等級純度を確保するため、技術的な材料ソリューションには、単一素材の活用、それらを接着せずに組み合わせるといったことがあります。この研究プロジェクトでは、接着の代わりに、コード、ボタン、すぐに取り外しができるファスナーなどを使った巧みな接続ソリューションが利用されています。すべてのコンポーネントと材料は、3Dプリンティング工程を含め、正確にフィットし、スクラップや残材が最小限になるように製造されています。そして、残った余剰材料は組織的に材料サイクルに戻されます。

乗員のために最高のものを

ウインドウの下のエクステリアに見られるディスプレイおよび制御面も、インテリアとエクステリアをつなぐエレメントとして内部に出現しています。インストルメント・パネルとアンビエント・ライトと同じように見えるこの装備は、ウインドウ用ボタン、ドアの開閉、ルーフのサングラスの操作といった機能を集約しています。そして、循環性はこの部分にも考慮されました:これは、分解するとドアの電子コンポーネントにすぎませんが、モジュール全体を簡単に取り外すことができ、タイプごとに分類することができます。

BMW i Vision Circularは、サーキュラー・エコノミーの発展におけるパイオニアになりたいというBMWの熱望を示すものなのです。
オリバー・ツィプセ

BMW AG CEO

後部の大型リヤ・ベンチシートは若干高くなっています。ヘッドレストはピローの役割を果たすとともに、スピーカーはその下に取り付けられ、それぞれのシートで独自のサウンド・ゾーンが得られるようになっています。サウンドのダイレクト・コントロールにより、コンポーネントがより少なくて済み、システムの取り外しもより容易になります。シートのテキスタイルももちろん、100%リサイクル材で作られています。RE:USE(再利用)の優れた事例はCピラーに見られます。BMW iXのガラス製 iDriveコントローラーは(➜詳しくはこちら:初めから電気※リンク先は英語サイトです)、照明器具としての新たな機能を持つものとして生まれ変わっています。

ノイエクラッセは、最初の大きな一歩となるだろう

このような材料やデザインのイノベーションに加え、BMW i Vision Circularは、双方向充電を利用するオプションも提供しています(➜詳しくはこちら:電気自動車の充電に必要なすべて)。したがって、車両は動く電力貯蔵ユニットとしての役割を果たすとともに、ビルやインフラなどの周辺施設にエネルギーを放出することができます。さらに、送電網に電力を供給することにより、電力使用ピークの平準化に一役買うことも可能です。

電気自動車について話す:BMWは以前、新たなノイエクラッセ(➜詳しくはこちら:ノイエクラッセの恩恵によるトップクラス※リンク先は英語サイトです)の市場投入を発表しました。これは、BMW i Vision Circularがもたらしてきた数多くのアイデアを取り入れたものです。ツィプセは以下のことを強調します:「私たちは、ノイエクラッセとともにこのプロセスで次の大きな一歩を踏み出すことになります。私たちはBMW i Vision Circularの考え方に従って、サステイナビリティにおけるノイエクラッセを開発しています。」特にこのことは、これらすべての技術革新を待ちきれない人々が、2040年まで待たずにこれらを試すことができることを意味しています。

BMW i Vision Circularとは?

BMW i Vision Circularは自動車メーカーBMWのビジョン・ビークルであり、2040年がどのようになるかの予測を提供します。このビジョン・ビークルはIAA 2021で発表されました。このコンセプト・カーが重視しているのは、サステイナビリティとラグジュアリーです。CO2排出量の削減を目的として、常にサーキュラー・エコノミーの原則に則ってデザインされています。

執筆者:ニルス・アーノルド;写真:BMW

THE BMW i VISION CIRCULAR

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