電気自動車とプラグイン・ ハイブリッド・モデルの特徴

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現在、どういった種類の電気駆動モデルを手にすることができるのでしょうか?電気自動車とプラグイン・ハイブリッドの違いは何でしょうか?ここでは、様々な電気駆動モデルの特徴を比較しながら、その答えを見つけることができます。

2020/6/12

遅かれ早かれ、大多数のドライバーがガソリン車から電気駆動モデルに乗り換えるだろうと考えられています。特に環境に対するメリットは明らかで、電気自動車(EV)は排気ガスを一切出さず、プラグイン・ハイブリッド・モデル(PHEV)でも局所的なゼロ・エミッション走行が可能となっています。

現在、電気駆動モデルは従来のガソリン車などに比べると車体の販売価格が高いという印象があります。しかし、EV・PHEV車では維持費や整備費など、さまざまなコストの削減が可能です。これに加え、多くの国でEV・PHEV車に対する補助金や税制優遇措置、メーカー独自の特別なオファーなども受けることができる場合があります。

電気駆動モデルが実用的な選択肢であることは確かですが、だからといってドライビングの歓びが失われることも決してありません。交差点で信号が青に変わった瞬間、隣の車を引き離すパワフルな加速と、極めて静かなエンジン音にあなたの心は満たされることでしょう。

eモビリティ技術の進化によって、自動車メーカーはますます幅広いラインアップを展開するようになり、すべての開発を追跡するのも難しくなっています。今現在、eモビリティを支持しているドライバーには、PHEV車に満足している人もいれば、完全な電気自動車(EV車)を求める人もいます。ここでは幾つかの電気駆動モデルを比較しながら、それぞれの仕組みや特長についてご説明します。

eモビリティの先駆者的存在であるBMWグループは、2021年年末までに100万台の電気駆動モデルを出荷し、気候保護に対しても積極的に貢献していくことを目標としています。

どのような電気駆動モデルがあるのか、クリックして確認してみましょう:

完全な電気自動車(EV)

電気自動車(EV)は、どのように駆動するのでしょうか?ガソリンを燃焼させる内燃エンジンとは異なり、EVはバッテリーからの電気を使って駆動します。EVの航続可能距離(1回の満充電で走行できる距離)は、バッテリーの容量によって異なります。

完全電気自動車(BEV−バッテリー式電気自動車)は、100%電気のみで駆動します。内燃エンジンを使わないため、ゼロ・エミッションによる走行を実現。これによって今回の比較においては、BEVの環境性能が最大のポイントを獲得しています。

また、多くのドライバーが懸念している航続可能距離ですが、ほとんどの場合、その心配は杞憂に終わることでしょう。なぜなら今日のBEVの平均的な航続可能距離は約300kmを超えており、これに対して日本のドライバーの1日あたり(実働)の平均走行距離は約30kmに満たない*1と言われているからです。

レンジ・エクステンダーを装備すれば、より安心です。レンジ・エクステンダーは、ガソリンで発電する補助動力装置で、バッテリー電力が低下した時に作動し、電力を供給するものです。この動力装置は、あくまでもバッテリーにのみ電力を供給します。車両に直接電力を供給する場合は、ハイブリッド車に分類されます。

BEV(バッテリー式電気自動車)のもうひとつの長所は、ほとんどの国で補助金や税制優遇が受けられることです。自宅や職場に充電ができる環境があるならば、完全電気自動車はまさに理想的な選択と言えます。現在は、公共の充電ステーションも都市やサービスエリアなどに続々と設置されており、BEVでの長距離走行はますます容易になることでしょう。

航続可能距離 ★★★☆☆
インフラ ★★★☆☆
持続可能性 ★★★★★

*1:出典「自動車燃料消費量調査 」(国土交通省) 

ハイブリッド・カー

ハイブリッド・カーとはどんな車でしょう?電気自動車(EV)とは異なり、ハイブリッド電気自動車(HEV)は内燃エンジンと電気モーターの両方を備えています。車によって、それぞれが互いに独立して機能する場合と、連携して働く場合があります。

ハイブリッド車が電気自動車として機能する度合いは、電気による出力や航続可能距離、充電システムによって異なります。

2つの動力源の長所を最大限に活かす プラグイン・ハイブリッド

プラグイン・ハイブリッドとは何でしょうか?プラグイン・ハイブリッド・カー(PHEV)は、内燃エンジンと電気モーターという2つの駆動装置を搭載しており、それぞれが独立して車両に動力を供給することができます。エネルギーは家庭用コンセントや充電ステーションからだけではなく、ブレーキ・エネルギー回生システムにより走行時にも供給されます。

PHEVに搭載されるプラグイン・ハイブリッド・システムは、充電ステーションでバッテリーをフル充電することが可能です。電力のみでの航続可能距離も大幅にアップし、たとえばBMW 530e では、ゼロ・エミッションでおよそ52.5kmまでの距離を駆けぬけることができます。数年後にはさらなる技術的進歩により、完全電気自動車と同様に電気モーターのみでの航続可能距離も飛躍的に伸びることでしょう。

PHEVのオーナーの多くは、すでに日常的な移動のほとんどを電気のみの走行でカバーしています。電気料金によっても異なりますが、コストの節約には大きく貢献するはずです。また、充電がなくなっても内燃エンジンによっての駆動がなされるため、慌てて充電ステーションを探す必要もありません。

PHEVは、様々な用途に車を使いたいドライバーにとって理想的です。毎日の通勤では電気モーターのみのゼロ・エミッション走行を、長距離ドライブでは内燃エンジンによる航続可能距離と利便性を、というように目的に応じてその優位性を使い分けることができるからです。

さらにPHEVのオーナーは、政府からの補助金やCO2排出削減による減税という恩恵を受けることができます。

航続可能距離 ★★★★★
インフラ ★★★★★
持続可能性 ★★★★☆

燃料電池

水素燃料電池自動車は、どのような仕組みになっているのでしょうか?水素燃料電池自動車は、電気自動車に分類されます。燃料電池内で水素と酸素が反応して電気エネルギーが発生し、そのエネルギーがバッテリーの電気モーターを駆動します。また、他の電気自動車のように、水素燃料電池自動車もブレーキング時のエネルギーを回収し、バッテリーに貯蔵します。

燃料電池自動車(FCEV)では、車両内で発電が行われます。燃料電池内で水素が外気から取り入れた酸素と反応し、ここで発生した電気エネルギーが電気モーターを駆動するのです。この結果生じるのは電気エネルギー以外には、熱と水で、水は水蒸気として排気口から放出されます。しかし、問題点もあります。水素の製造には大量の電力を必要とし、さらにその水素を製造した場所から補給ステーションまで輸送しなければならないからです。

FCEV(水素燃料電池自動車)の航続可能距離は、未来のBEV(バッテリー式電気自動車)とほぼ同じです。FCEVの最大の長所は、タンクの補給に要する時間が非常に短いことです。ガソリン車やディーゼル車と同じく、水素の補給はわずか数分で完了します。しかし、問題点のひとつは現段階で水素の補給ステーションがほとんどなく、新たなステーションの整備にもなかなか進展が見られないことです。将来的にこの点が解消されれば、FCEVとガソリン車の使用上の違いはほぼなくなると言っても過言ではありません。

しかし、今もなお燃料電池システムの製造にはコストがかかります。その大きな要因のひとつが、触媒に高価なプラチナが使われることです。

航続可能距離 ★★★★☆
インフラ ★☆☆☆☆
持続可能性 ★★☆☆☆

ドライバーはそれぞれに、異なるニーズを持っています。そして幸いなことに、そのリクエストやライフスタイルを満たす多様なパワートレインを搭載した車が開発されています。従来のガソリン車やディーゼル車も含め、様々なパワートレインが未来のモビリティにおいて、あなたの想いを満たすことでしょう。

将来的には、複数の技術を組み合わせたものが求められるかもしれません。BMWは、革新的なプラットフォームの開発を通じて、こうした未来に備えています。このプラットフォームは、内燃エンジン、プラグイン・ハイブリッド、完全電気自動車それぞれのパワートレインの長所が最大限に活かされています。完全電気自動車のBMW Vision iNEXT(2021年発売予定)は、この普遍的な新型プラットフォームによる最初のモデルと言えるでしょう。

イラスト:シプリアン・ロスリンガー

伊勢谷友介氏が代表を務める「REBIRTH PROJECT」コラボアイテム を100名様に。

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