BMWロゴ – 由来と歴史

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プロペラか否か。BMWロゴに関するこの議論は、何十年も前から繰り返されてきました。しかし、実はそれもすべては宣伝のためだったと言います。ここでは長年真実が明かされなかったBMWロゴの意味と由来、そして今回の新たなロゴに反映されたブランドのヴィジョンについて知ることができます。

2020/4/17

「多くの人が、BMWのロゴは図案化されたプロペラだと信じています」と語るのは、BMWグループ・クラシックのフレッド・ジェイコブズ。「しかし、真実は少し異なります」。

ここでは、BMWロゴがどのようにして生まれ、何を意味して作られたのか、そのすべてをご説明します。

多くの人が、BMWロゴは図案化されたプロペラだと信じています。しかし、真実は少し異なります。
フレッド・ジェイコブズ

BMWグループ・クラシック アーカイブ・ディレクター

当初、BMWにシンボルは必要ありませんでした。

BMW=Bayerische Motoren Werke(バイエリッシュ・モトーレン・ヴェルケ)。その社名の歴史は、1917年にまで遡ります。南ドイツ・バイエルン州の州都ミュンヘンで航空機エンジンを製造していたメーカー「Rapp Motorenwerke(ラップ発動機製作所)」が改称され「BMW(ビー・エム・ダブリュー)」が誕生。社名は変わりましたが、技術的設備、資産、従業員はそのまま引き継がれました。

BMWという社名が1917年7月に初めて商業登録された際、まだこの会社にロゴはありませんでした。同じ月に出された最初の広告にも、BMWのシンボルやエンブレムは見当たりません。しかしその広告は、BMWが航空機用エンジンだけでなく将来的には自動車、農業、船舶用のエンジンも製造する計画があることを示していました。

「当初は、ロゴもその意味も現在のように広く公開されるようなものではありませんでした。なぜならBMWには、認識させるべきエンドユーザーが存在しなかったからです」とフレッド・ジェイコブズは説明します。その頃の主な事業は、ドイツ空軍向けの航空機用エンジンの製造とメインテナンスでした。

BMWの前身は「ラップ発動機製作所(1913-1917)」という会社です。それは1917年10月から使われ始めた最初のBMWロゴにも見て取ることができます。ブラックの外周円に社名が入るデザインは、ラップ社の伝統を受け継いだものです。

BMWロゴの特徴は、逆順のバイエルン・カラー。

1917年10月5日、この新しい会社にロゴが与えられます。ドイツ帝国商標登録を受けた最初のBMWロゴは、ラップ社の円形デザインを引き継いでいました。象徴的なブラックの外周円は2本のゴールドのラインで縁取られ、その内側にBMWの文字が配置されました。

このロゴの中にはBMWの故郷であるバイエルンも表現されています。内側の四分円にはバイエルン州を象徴する白と青が採用されました。しかし当時の商標法では、州や君主の紋章を民間企業が使用することは禁じられていたため、BMWのロゴでは紋章ルールとは逆順の青と白のデザインになっています。

左:1924年のベルリン・モーターショーで使用されたBMWロゴ。 右:初期のBMWは、航空機、自動車、農業機器、船舶など幅広い用途のエンジンを製造していました。

BMWロゴは、何を意味しているのでしょうか?

BMWロゴの意味を解く上で重要な最初の手がかりとなるのが、その配色です。白と青はBMWの故郷であるドイツ・バイエルン州の色です。1929年に出された広告では、航空機の回転プロペラが青と白に塗り分けられた四分円のBMWロゴに見立ててデザインされています。これがきっかけでBMWロゴがプロペラをモチーフにしているという解釈が生まれ、その説が現在まで根強く残っているのです。

プロペラの伝説は、どこから現れたでしょうのか。

今なお、BMWロゴは回転するプロペラを表現していると多くの人が信じています。なぜなのでしょうか?BMWのプロペラ説は、最初のブランド・ロゴが登場した数年後に端を発しています。1929年以降のBMWの広告には、回転するプロペラの中にBMWロゴが入った航空機が描かれていました。世界的な経済危機が始まる中、「Pratt & Whitney(プラット・アンド・ホイットニー)」の航空機エンジンをBMWがライセンス生産したことを訴求した広告です。プロペラの解釈は、BMWの広告イメージに見事にマッチしました。航空機エンジン製造という会社のルーツと、専門技術の高さを強調することに成功したからです。

1929年のこの広告以降、BMWロゴはプロペラを表しているという通説がずっと信じられてきました。

その後1942年、BMWは自らプロペラを会社のシンボルに結び付けます。「Flugmotoren-Nachrichten(航空機エンジンニュース)」という自社の出版物に、BMWロゴが回転するプロペラであることを裏付ける記事を掲載するのです。記事には、プロペラとBMWロゴが重ねられた航空機の画像が添えられていました。

BMWはこの通説を積極的に正そうとはしませんでした。1942年の社内誌に載せた記事のように、BMWロゴをプロペラとして表し続けたのも事実です。
BMWは長い間、このプロペラ説を正そうとはしませんでした。 フレッド・ジェイコブズ  BMWグループ・クラシック  アーカイブ・ディレクター
フレッド・ジェイコブズ

BMWグループ・クラシック アーカイブ・ディレクター

BMWロゴ: 意味と歴史は?

BMWロゴのストーリーは伝説に基づいており、その伝説は今も生きています。「BMWは長い間、BMWロゴがプロペラであるという通説を正そうとはしませんでした」とBMWグループ・クラシックのフレッド・ジェイコブズは認めます。しかし、この専門家は「BMWロゴがプロペラを表しているという伝説にこだわるなら、それも間違いではありません」ともコメント。「厳密に言うと、BMWのロゴがプロペラに由来するという解釈は正解ではありません。しかし、90年もの間繰り返し語られてきたこの解釈が、やがて都市伝説としてある程度正当化されるようになったのも事実なのです」。

BMWロゴが街中に登場したのは1923年、BMW初のモーターサイクルBMW R32の燃料タンクの上に冠されました

BMWブランド・コミュニケーションのための新しいロゴ

単なるデザインの刷新ではありません:BMWの新しいブランド・イメージは、未来のモビリティを象徴しています。新しいロゴには、ブランドの変化がどのように反映されているのでしょうか?

イェンス・ティーマー  BMWカスタマーおよびブランド担当 上級副社長

「BMWは関係性を強調するブランドへと進化しています。新しいコミュニケーション・ロゴは、開放性と明確性を表したものです」とBMWカスタマーおよびブランド担当 上級副社長のイェンス・ティーマーは説明します。「透明バージョンの新たなロゴによって、お客様にはBMWの世界の一部となっているような親しみをより強く感じていただけたらと思います。また、ブランドのデジタル化に対応した新しいデザインは、私たちにさらなるチャレンジとチャンスをもたらすことでしょう。視覚的にも抑制の効いたグラフィックは、BMWがオンラインでもオフラインでもコミュニケーションのさまざまな接点において、その存在を示せるよう柔軟に対応します。新たなコミュニケーション・ロゴは、未来のモビリティと駆けぬける歓びを目指すブランドの意義と関連性を象徴しています」。

 

誕生から現在まで、BMWロゴマークの変遷。

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