凍結した路面では、常に冷静に。

凍結した路面では、常に冷静に。
運転中に突然、凍結した路面に遭遇したとしても、焦らず冷静に対処してください。まずは、できるだけ早く安全な場所に停車することを、クラウス・ハイマールは勧めています。「ABSが装備されていれば、ブレーキを強く踏んでも大丈夫です。逆にABSがついていない場合には、ゆっくりとブレーキを踏む必要があります。ブレーキをそっと優しく、車が停止するまで完全に踏んでください。可能な場合は、湿塩散布車が来るまで待つことが得策です」。
スリップした時に、コントロールを取り戻す。

スリップした時に、コントロールを取り戻す。
次に前方または後方のタイヤがスリップした際に、どのように対処すべきかをご説明しましょう。「前方のタイヤが滑ると、通常、車はカーブの外側に向かって横滑りします。その際は決して急なハンドル操作で戻そうとせず、ただアクセルを緩めてください。それから必要に応じて、ゆっくりとハンドルを切ってください」とクラウス・ハイマール。一方、後方のタイヤが滑った場合には、車両姿勢を立て直すのが少し難しくなります。「カーブで車両後部が外側に振れ始めたら、極めて迅速に対処する必要があります。アクセルから完全に足を離し MT車の場合はクラッチを踏み、逆方向へハンドルを切ってください。」。
ハイドロプレーニング(水膜)現象の時は、車を泳がせないこと。

特にワイド・タイヤを装着している車は、ハイドロプレーニング現象が起こりがちです。「運転中にDSC(ESP)が濡れた路面に反応したら、それを最初の兆候と捉えてください」とクラウス・ハイマール。「急にステアリング・ホイールが軽くなったように感じ、下方から水の音がはっきりと聞こえたら、おそらく車のタイヤが路面から浮いている状況です。この時、ブレーキやアクセルは踏まないでください。MT車の場合はクラッチを踏み、できる限りそのまま走らせてください。通常なら20~30mでタイヤが再び路面を捉えるはずです」。
動物の飛び出しには、急ブレーキで対応。

動物の飛び出しには、急ブレーキで対応。
「動物が道を横切ろうとしたら止まりますか、それとも避けますか?」という問いかけは、運転の歴史が始まった頃から存在します。そしてその答えは明らかです。衝突を避けられないのであれば、後続車に注意しできるだけ強くブレーキを踏むしかありません。「動物をよけるために、脇に逸れようなどという考えは起こさないでください。道端の木や、最悪の場合は対向車と衝突して死亡事故を起こしてしまう可能性も高いからです」とハイマールは言います。
ブレーキが効かない時でも、コントロールをし続けること。


「ブレーキが効かないこと?もちろん起こり得ます。ただし、ほとんどは映画の中だけでの話ですが」とクラウス・ハイマール。しかし万が一そうなった場合に安全を確保するための対処法は、ブレーキを踏み続けることです。「ブレーキを完全に踏み込む動作を何度も繰り返してください。シフト・ダウンによるエンジン・ブレーキも利用するべきです。パーキング・ブレーキを使う方法もありますが、タイヤをロックしてしまわないように注意する必要があります」。
パンクしたら、まずは深呼吸。

パンクしたら、まずは深呼吸。
幸い、最近ではタイヤがパンクすることも少なくなりました。「たとえそうなったとしても、慌てる必要はありません」とこのカリスマ・インストラクターは言います。ランフラット・テクノロジーのおかげで、残り3つのタイヤが無事であればドライバーはコントロールを保つことができるからです。安全を最大限に確保するために、ドライバーには次の行動をお勧めしています。「深呼吸をしてステアリング・ホイールをしっかりと握り、少しずつブレーキを踏んでください。あるいは、停止するまで車を惰性走行させてください。付近に整備工場があるなら、ランフラット・タイヤでそこまでゆっくりと運転して、タイヤを交換してもらうこともできます。そうでない場合には、必ずハザード・ランプを点灯させた上で、高速道路を走行中であれば必ず三角停止板を立て、ロード・サービスを呼んでください。」

「経験豊富なインストラクターについて練習することがベストです。 お望みなら、素晴らしいインストラクターを推薦します」
BMW・MINIドライビング・エクスペリエンス・プログラムの
インストラクター
重要なのは、路上での実践経験。
「もちろん、理論は役に立ちますが、あくまでもそれは安全運転へのファースト・ステップにすぎません」とクラウス・ハイマールと言います。「困難な状況下でも冷静に対処するには、どのようにしてその知識を実践で生かせるかが重要になってくるのです」。そして、笑顔で彼はこう付け加えました。「最も理想的なのは、経験豊富なインストラクターについて練習することです。お望みなら、素晴らしいインストラクターを推薦できますよ」。 |