アーバンカヤックとは?
まず、アーバンカヤックについて少しご説明します。
名前が示すとおり、アーバンカヤックとは、レクリエーションとして愉しむ通常のカヤックを都市生活と結び付けたもので、シティカヤックと呼ばれることもあります。
たとえば、好きな都市の運河でパドルを漕ぎ、太陽の光を浴びて、新鮮な空気の中で街を眺めながら、水に浮かぶカヤックで穏やかなひとときを過ごすことを想像してみてください。
近年、都会の運河や川でカヤックを愉しむ愛好家が増えており、まったく新しいカテゴリーのカヤックとして人気になっています。
それでは、アーバンカヤックのベスト・スポットはどこでしょうか。ほかと違うカヤック・ツアーに参加するには、どこへ行けばいいのでしょうか?カヤック用のルーフ・ラックを準備し、お好きな用具を積んで、BMWがおすすめする世界のエキサイティングなスポット5カ所を見ていきましょう。それぞれに特徴があり、その街ならではの思い出深い旅行を愉しめます。


東京(日本)
日本の首都である東京といえば、まばゆいネオンとどこまでも続きそうな高層ビル群に囲まれた大都市の喧騒を一番に思い浮かべることでしょう。また、初心者にとってはクルマを運転することが非常に難しい街であることもよく知られています。ですが、もし変わった体験をお望みなら、大都会の喧騒をカヤックからゆったりと愉しむチャンスがあることをご存じですか?
東京はいくつもの河川があるため、長距離でも短距離でもツアーを組むことができ、有名な金融街や住宅街など、カヤックからのぞめる風景もさまざまです。東京でのカヤックの一番の目玉は、桜のお花見。一般的には3月から4月にかけて、ごく短い開花期間だけ愉しむことができます。ピンク色の花びらが浮かぶロマンティックな河川をパドルで進み、旅行者からも地元住民からも愛されている春の風物詩をぜひご体験ください。
最善のルート探しやツアーの予約は、TOKYO GREAT KAYAKING TOUR(※リンク先は英語サイトです。) などから可能です。思い出に残る世界最大都市の探検にすぐ出発できます。とくに、地元ガイドの案内付きで桜の花びらが舞い散る中でのカヤックを愉しみたい方は、事前に計画を立てましょう。桜の開花時期は一年で最も人気の高いシーズンのため、予約はすぐに埋まってしまいます。


コペンハーゲン(デンマーク)
ヨーロッパでは、コペンハーゲンほどアーバンカヤックに適した街はないでしょう。運河と小さな島々の港が緻密に整備されたデンマークの首都コペンハーゲンでは、生活と水が調和しています。東京とは対照的に、コペンハーゲンをクルマで走るのはそう難しくありませんし、通常であれば運河のすぐそばに駐車する場所も難なく見つかるはずです。夏の暑い日にクルマからカヤックに乗り換えると、そこにいるのはカヤックに乗る観光客だけではありません。レンタルの小型ボートやスタンドアップ・パドルボード、ヨットなど、水に浮かぶあらゆるものに乗っている地元民にも会えるでしょう。
漕ぎやすいルートが豊富にあり、まったくの初心者でもそれなりに街中を漕いで回れます。コースの一例として、運河のクリスチャンシャオンにほど近い国会議事堂の埠頭からスタートし、好きなルートで街中をめぐることができます。見どころはアマリエンボー宮殿の対岸にあるオペラハウスなどです。ロマンティックな小さな運河が点在し、ボートハウスやウォーターフロント・カフェがあり、新しい住居エリアでも水辺が生活の一部となっています。
ガイドツアーの申し込みや情報は、Kayak Republic(カヤック・リパブリック) (※リンク先は英語サイトです。)などから可能です。街を案内してくれる熱意あるガイドが必ず見つかります。


シカゴ(アメリカ)
シカゴと聞いて真っ先にカヤックを思い浮かべる人はほとんどいないかもしれません。ですが、カヤックに詳しい人々の間では、カヤック・ツアーやカヤックで愉しめる景色がたくさんあることで知られています。
ぜひおすすめしたいスポットのひとつは、有名なシカゴ・リバーウォークに隣接している運河です。すばらしい高層ビル街の風景をのぞむことができ、カヤック初心者にも上級者にも理想的な環境です。もうひとつの選択肢として、リバーウォークと並ぶ有名スポットである、シカゴ・レイクフロントからミシガン湖へ漕ぎだすルートもおすすめです。シカゴのトレードマークである高層ビル群を水辺から眺めることができます。シカゴの繁華街からはクルマで10分以内で行けるため、ミレニアム・パークやネイビー・ピアなどの観光とカヤック・ツアーを1日で体験できます。
ガイドなしでカヤックに乗りたい方はインストラクターの技術チェックを受ける必要がありますが、初心者の方にはガイドツアーが用意されています。ツアーや参加費の詳細はURBAN KAYAKS(アーバンカヤック)(※リンク先は英語サイトです。)をご覧ください。


コーク(アイルランド)
アーバンカヤックの中でも実にユニークな体験となるのが、アイルランド南部沿岸のコーク。景勝地のドライブを愉しみたい旅行者が真っ先に選ぶ場所です。
コークは歴史的に産業都市として知られており、アイルランド経済にとって重要な港の拠点でした。しかし、近年は旅行者からの人気が高まり、たくさんのギャラリーや古城、醸造所、市場、美術館などが観光スポットになっています。港湾都市としての遺産がある街なので、カヤックをクルマから運河へ降ろしてツアーに出かければ、この街をさまざまな角度から愉しむことができます。
ガイドツアーをお探しであれば、Atlantic Sea Kayaking(アトランティック・シー・カヤッキング) (※リンク先は英語サイトです。)という地元の企業が提供するオーダーメイドのツアーで、橋やウォーターフロント・エリアなど有名スポットを訪れることができます。


ベネツィア(イタリア)
水上都市ベネツィアよりもアーバンカヤックに適した街があるでしょうか。ベネツィアには運河が複雑に張りめぐらされており、何世紀もの間、街の水路として機能してきました。
最後にご紹介する素晴らしいカヤック・ツアーを体験できる場所は、おそらく世界で一番有名な運河都市、イタリアのベネツィアです。イタリアの宝であるこの街を象徴する運河を現地ガイド付きのカヤックで巡りながら、ベネツィア独自の文化や歴史を学ぶことができます。素晴らしい装飾や建築を水上からのユニークな視点で愉しんでください。愛する人に一風変わった物語を語りたい旅行者にはうってつけの場所です。REAL VENETIAN KAYAK(リアル・ベネツィアン・カヤック) (※リンク先は英語サイトです。)で旅の予約をすると、地元のプロガイド付きの環境に配慮したツアーも手配でき、水上都市に隠されたすべての名所を見学できるでしょう。
英語ガイド付きのツアーであればカヤック未経験者でも参加でき、通常必要な装備がすべて含まれています。ですが、ひとつだけ注意が必要です。クルマでベネツィアへ行くのはおすすめできません。事前にプランを立てて、運河から街を愉しむことに集中できるようにしましょう。
執筆: David Barnwell; イラスト: Carolin Wabra