阿寒湖は阿寒摩周国立公園の中心に位置する自然豊かな場所。その湖畔にはアイヌの人々が生活をし、土産物屋や木彫などの工芸をつくる工房が軒を連ねる「アイヌコタン」がある。廣川玉枝さんは3Dやデジタルを使った先進的な服づくりでも知られるファッションデザイナー。完全電気自動車であるBMW iX3とともに、アイヌコタンで木彫をする平良秀晴さんを訪ね、アイヌ文化から見えてくるデザインをめぐる旅に出た。



アイヌ文化を継承する町、阿寒湖アイヌコタンを目指して北海道・釧路へ
ファッションデザイナー・廣川玉枝さんとは?
今回BMW iX3とともに阿寒湖アイヌコタンを訪れたのはファッションデザイナーの廣川玉枝さん。イッセイ ミヤケに勤務後、ファッション、グラフィック、サウンド、ビジュアルデザインを手掛ける「SOMA DESIGN」を立ち上げる。自身のブランド「SOMARTA」では、人間の肌を美しく包む「第二の皮膚」と評される無縫製ニット“Skin series”や、3Dを駆使したデザインなど唯一無二の服を手掛けることでも知られる。近年では「第二の皮膚」の手法に基づき、アシックスと協業した東京2020オリンピックの表彰台ジャケットが、大きな話題になったのは記憶に新しい。
SOMARTA
http://www.somarta.jp/


阿寒湖アイヌコタンに到着。
木彫作家・平良さんを訪ねて
まず訪れたのは今回、廣川さんがぜひ会いたいと熱望したアイヌコタンで木彫を手掛ける木彫作家の平良秀晴さんの店「木彫民芸 森の人」。タンチョウヅルのオブジェが目印で、店内は土産物のキーホルダーとともに、平良さんが丹精込めて彫刻をする木彫作品を購入することができる。廣川さんも早速、平良さんが得意とする縁起のよい木として知られる槐(エンジュ)を材にしたフクロウの木彫りを手に「平良さんがつくるフクロウは、目に魂が宿ったような優しい目をしていて心が癒されます」と微笑んでいた。


「自然の中に共存するアイヌ文化を、
作品を通じて感じてもらえればうれしいですね」――平良さん
阿寒湖のクラフトに魅せられて京都からこの地に移住した平良さんがつくる木彫りは、いくつものノミや小槌を使って心を込めてつくられる。「アイヌコタンの人たちは訪れる人にすごく優しい。旅人としてはじめて訪れた時から居心地がよくて、大好きな木彫がしたくて移住しました。アイヌ文様にはお祈りやお守りの意味があります。その文様は代々受け継がれてきたものであり、個性があって、どれひとつ同じものはありません。だからこそおもしろく、常にいまより上手く彫りたいと謙虚な気持ちにしてくれます」
平良さんと一緒に、
アイヌ文化創造伝承館「オンネチセ」を見学
阿寒湖アイヌコタンのつくり手たちのクラフトを一堂に集め、アイヌの人々の生活の歴史や受け継がれてきた貴重な道具を保存展示する伝統創造アートミュージアム。「昨年はじめてアイヌコタンを訪問した際に、文様をつくるワークショップをしたり、シアターイコロでの古式舞踊を拝見したり、伝統あるアイヌ文化に触れることができました。アイヌ工芸の複雑な文様が意味しているところに興味があります」と話す廣川さんは、アイヌの人たちが生活の中で生み出してきた道具を興味深げに見つめていた。




阿寒湖アイヌコタンを堪能したら、
周辺の大自然感じるドライブスポットへ出発!
BMW iX3はエコな完全電気自動車で、サイレントでエレガントな走りを文字通り具現化する先進カーだ。一回の充電での最長走行可能距離は508㎞で、日常的な運転からロングドライブまで使用することができる高いパフォーマンス性を誇る。
この日向かった阿寒湖畔から釧路湿原周辺への走行時間は約1時間。出発前に助手席から運転席のモニターで電力量を確認しつつドライブに出発した。


まずは雄阿寒岳、雌阿寒岳に挟まれた湖、阿寒湖前に到着
阿寒湖周辺には車で湖畔までたどり着ける場所がいくつかある。この日訪れたのは、阿寒湖のシンボルでもある雄阿寒岳が真正面に臨める穏やかにさざ波が寄せる湖畔の絶景スポット。静寂に満ちた自然環境や地域だから、住民の方の生活に配慮しながら訪れたい。完全電気自動車であるiX3なら、無音に近い安定した走りで周囲や乗る人にとってもノンストレスで、環境負荷の少ない優しい走りができる。


平良さんおすすめのスポット、オンネトーへ
阿寒湖から山道を走り、木立を抜けると神秘的な湖が現れる。「オンネトー」は2万年とも5万年前ともいわれる雌阿寒岳の巨大噴火により生まれた湖。
静寂に包まれたこの場所で心を休めるために、平良さんも時々家族で訪れるという。「森に囲まれていて樹齢の経った木々の葉音しかしない静かな場所です。いつかこの湖面に手づくりのカヌーを浮かべてみたいという夢を持っています」と平良さん。
廣川さんも「助手席に座りながらぼんやり森の木々をみているだけで、普段の都会の喧騒を忘れ心が穏やかになり創造力が刺激されます」。静寂の向こうにアイヌの人々が古くから神々と敬う山々と森が連なるこの場所で、はじめて訪れた廣川さんの感性も揺さぶられたようだ。
釧路湿原展望台では、あらためて北海道の大きさを実感
「釧路湿原展望台」は、室内展望台や屋上から釧路湿原や釧路市内の街並みまで、圧倒的な大パノラマを一望できる必ず訪れたい絶景スポットだ。ショップやラウンジも併設し、周辺には遊歩道も整備され森林浴を楽しみながら野性味溢れる大自然の中で散策することができる。建築は釧路が生んだ建築家、毛綱毅曠(もづな きこう)の設計によるもの。建物探訪も忘れずに。
周囲にはタンチョウヅルの聖地でもある湿原を臨めるコッタロ湿原展望台をはじめいくつもの展望台があるので、マップを片手にドライブを楽しみながら回ってみたい。沿道では付近に生息するキタキツネやエゾジカ、運がよければタンチョウヅルに出合えるかも。
たくさん走った後は
充電スポットに立ち寄るのを忘れずに
BMW iX3に搭載のバッテリーは最大150kWに対応し急速充電性能を誇り、スマートにバッテリーチャージすることができる。アップダウンが続く山道、坂道の多い北海道。走行における自動充電でのバッテリーチャージは、フル電気車ならではの大きなメリットであり心強い機能だ。iX3を身近に楽しめる近場からロングドライブまで、目的に応じてフレキシブルに対応するiX3のキビキビとしたシャープなパフォーマンス性能は、北海道の大自然の中でも遺憾なく発揮された。


プロフィール
木彫作家・平良秀晴さん
木彫作家。京都府生まれ。北海道が好きで学生時代に訪れた阿寒湖アイヌコタンで住み込みのアルバイトを経験後、木彫を続けるために移住。アイヌの守神であるフクロウの彫刻やアイヌの狩猟刀である「マキリ」などに定評がある。近年注目が集まる阿寒湖アイヌクラフト作家の一人として知られる。
<クレジット>
text=Takashi Kato
photo=Ryusuke Honda(bird and insect ltd.)
costume: SOMARTA
hair&make up: Risa Chino(beauty direction)
今回訪れた場所
阿寒湖アイヌコタン
住所:北海道釧路市阿寒町阿寒湖温泉4-7-19
www.akanainu.jp
木彫民芸 森の人
住所:北海道釧路市阿寒町阿寒湖温泉4-3-18
伝統・創造館 オンネチセ
住所:北海道釧路市阿寒町阿寒湖温泉4-7-19
https://www.akanainu.jp/onnecise/
オンネトー
住所:北海道足寄郡足寄町茂足寄
釧路市湿原展望台
住所:北海道釧路市北斗6-11
http://ja.kushiro-lakeakan.com/things_to_do/3639/