あなたは「ポルトガル・ザ・マン」のリーダーであると同時に、グラフィックデザイナーとしてバンドのアートワークも手がけていますが、もともと絵やデザインを始めたきっかけは何ですか?
私は子供の頃から、一日中絵を描いていました。アイシーレイクと呼ばれる文字通り氷の湖の近くに住んでいましたが、アラスカの森の中で暮らしていれば、誰でも想像の世界を旅したくなると思います。
ステージ上のあなたは、派手で話好きなロックスターというタイプではないように感じます。しかし、あなたのデザインは大胆かつ雄弁でとてもカラフルです。そこにはあなたの潜在的な意識が表現されているのですか?
昔からシャイな性格で、今もどちらかというと内向的な私にとって、アートは自分を視覚的に表現するための大切な手段でした。ステージで軽快にトークしたり、授業中に皆の前で話すことが苦手でも、あるいはそこに私自身がいなかったとしても、絵や作品を通してコミュニケーションができるからです。


森の山小屋で暮らせば、 誰もが想像の世界を旅したくなる
あなたが理想とする存在は?
ビートルズ。イマジネーションやクリエイティビティについて考える時、常にビートルズが私の中に存在しています。形式やジャンルに捉われない彼らの感覚が、私のアイデンティティにも大きな影響を与えているのです。
バンドのアートワークをはじめとして、
あなたのクリエイティブには、どんな意図がありますか?
私にとってクリエイティブとは、自由になることです。例えば、スクランブルエッグについて考えたらそれが歌詞になり、必要ならアレンジを加えて曲にする。ただ流れに任せて、その瞬間を表現するだけです。昨日何をしたかを考えることもなければ、明日自分が何を創っているかもわかりません。つまり私にとってのクリエイティブとは知的プロセスではなく、今この瞬間に感じたものがすべてなのです。


フェスティバルで披露された3つのBMW iモデルと、あなたを関連づけるものは何ですか?
BMW i8、i3、i8 Roadsterにおいて私が何よりも共感したのは、いずれもが環境に配慮されたサステイナブルなモデルであるという点です。アラスカ出身の私にとって、それは非常に特別な意味を持っています。大自然の中での暮らしから学んだのは、自然を敬い、私たちが存在できる世界を敬い、本当に必要なものだけを大事にしながら生きて行くということです。
3つのモデルの中で、あなたが特に気に入っているのはどれですか?
私の心を最も惹きつけたのは、BMW i8の極めて滑らかなデザインです。かつて犬ぞりに乗る両親とともに森の中で暮らした私にとって、初めて目にしたこの車はまさに「未来」そのものだったのです。
車のデザインには大胆なラインと鮮やかなカラーが採用されていますが、このようなアプローチを選んだ理由は何ですか?
これらのモデルを初めて見た時の子供の気分を想像しました。「今まで見たこともない!」という感動を覚えてもらえるような夢のあるクルマにしたかったのです。ポップで表情豊かなデザインを意識したのも、そのためです。このデザインをきっかけに、シルエットの美しさやサステイナブルな魅力にも興味を持ってもらえれば、と思いました。
「ポルトガル・ザ・マン」の制作では、歌詞、音楽、あるいはアートワークのどれが最初に思い浮かびますか?
私が創るものは、これらすべての対比から生まれます。曲に関しては、歌詞が先に生まれ、そこからインスパイアされて音楽が形成されることがあります。あるいはヴィジュアルが先の場合もあります。座って絵を描き始めた時に突然インスピレーションが湧いて、そのイメージにあった曲が生まれるということも少なくありません。
7枚目のアルバムをリリース*し、世界中でツアーを行っていますが
15年以上続くこのバンドで楽しさを持続させる秘訣は何ですか?
今年はたくさんの出来事があり、そのすべてが心踊るものでした。しかし、私たち自身のスタイルはバンドを始めた頃のままで、ステージの上でも相変わらず、メンバーとふざけ合いながらプレイを愉しんでいます。ただ、以前は自分たちが声をかけられるとは思っていなかったフェスティバルにこうして参加できることほど、光栄でエキサイティングな出来事はありません。
※2018年当時


コーチェラへと続くカリフォルニアの砂漠に佇むBMW i8とBMW i3。
ラッピング・デザインは、ポートランド出身のバンド「ポルトガル・ザ・マン」のリーダー兼のボーカルのジョン・ガーリーによるもの。


毎年4月に2週連続で開催される「コーチェラ・フェスティバル」を観るため、多くの音楽ファンがここに集まる。会場はロサンゼルスから東へ125マイルに位置し、カリフォルニア州インディオの砂漠“コーチェラ・ヴァレー”に因んで名付けられた。 最初の開催から19年が経ち*、今や単なる音楽フェスではなく、世界中のセレブリティやファッショニスタが集結し、最旬スタイルを披露するトレンドの発信地になっている。
※2018年当時