







まず、スーツは専門の工場じゃないと作れない。専門の工場も男女で分かれている。メンズスーツを作ってる工場に、サイズの相談をしたら、機械の設定上、小柄な女性の身長は対応してないと言われ何度も断られました。アパレル業界の共通言語も知らないから、交渉も全然進みません。それでも、全国の工場に掛け合い続けたところ、1社だけ、「何を作りたいの?」ではなく「どうしてそれを作りたいの?」と聞いてくれたところがありました。


昔の私は、スーツが欲しくても店員に何か思われることが嫌で店舗に行くことができませんでした。その経験から、同じように性別や見た目がスーツを買う壁になっている人って少なからずいると思っていたんですね。そんな人のもとにスーツを届けたい、だからスーツが作りたいって、胸の内を伝えたんです。そしたら、その思いに共感してくださって、「じゃあ、一緒に作ろう」って。それが私のブランドが動き出した瞬間、新しい景色が切り開かれた瞬間だと思います。












プロフィール
株式会社クーゼス 代表取締役・田中史緒里さん
1994年、福岡県生まれ。自らを特定の性別だと自認していないFemale to X。 幼少期の頃から可愛らしい服装に違和感があり、学生時代は制服を着ながら悶々と過ごす。18歳で上京して働いた職場が多様な性を認める社風で、そこでLGBTQ仲間たちとも出会い、性についての考え方が広がり更に自分らしく生きられるようになった。
2019年、「成人式に何を着たら良いんだろう」という自らの悩みを発端に、 女性の体に合うメンズライクなスーツブランド「keuzes(クーゼス)」をスタート。
オランダ語で「選択肢」という意味を持つ言葉通りに、性別を問わず、誰もが着たい服を着られるような社会を目指す。 店舗は持たず、問い合わせを受けると全国どこにでも足を運んで直接話を聞き、採寸する手法が顧客の心をつかんでいる。
今回訪れた場所
鹿島神宮
茨城県鹿嶋市宮中2306-1
https://kashimajingu.jp/
BIZcomfort大森山王
東京都大田区山王2-5-6 SANNO BRIDGE
https://bizcomfort.jp/tokyo/omorisanno.html
EASE MEGURO
東京都品川区西五反田3-1-2 NYアパートメント1F
https://www.ease-iziz.com/meguro
株式会社クーゼス 代表取締役・田中史緒里さん 『FREUDE,forever -先駆者が見た景色-』【TBS】