エコ・コンシャスな旅:南チロルでサステイナブルに

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南チロルは、電気自動車で駆けぬける歓びとエコ・コンシャスな愉しみを同時に味わえる場所です。今回のBMW iXのロード・トリップでは、サステイナビリティと地元に積極的に関わり、ビジョンを実現するために努力している4人のビジネス・パーソンたちを訪ねました。

2022/5/17

暮らしのなかで環境への意識をより高めることは、一過性のトレンドではなく、新たな歓びをもたらすひとつのスタイルだといえます。日々触れている製品や食材の産地について、もっとよく考えてみる歓び。新しい観光の方法を考え、環境に優しい目的地や宿泊施設へ旅する歓び。BMWでは、このような歓びと製品の産地に関する意識について、小さな規模から取り組みを始めています。つまり、BMW基準に沿った原材料を選択するところから始めて、自動車製造の工程全体に広げているのです。例えば、BMWグループでは、ディンゴルフィングとミュンヘンの工場において、新しいBMW iXとBMW i4の生産に、地域の水力発電所のグリーン電力を使用しています。その指針となるのが、循環型経済とサステイナブルな都市型モビリティです。

BMW iXは、革新とサステイナビリティの象徴的なパイオニアです。そして、ルートや山道、登山道がさまざまに変化し豊かな表情をみせる南チロルは、BMW iXにふさわしいアドベンチャー・ランドのような土地なのです。このアルプス・地中海沿岸の地域は、文化のコントラストをつなぐ架け橋であるとともに、多くのサステイナブルなトレイルブレイザー(先駆者)のホームでもあります。旅の目的は (➜ さらに読む:五感を刺激する体験 )、行動を起こし物事を動かすことのできる、4人のビジョナリーに会うこと。地元に根ざしたレストラン経営者、革新的な野菜生産者、エネルギー利用に配慮したホテル経営者、バイオダイナミック農法を取り入れたワイン製造者。全員が、良い暮らしや良い製品について価値ある疑問を投げかけ、エコ・コンシャスな愉しみ方をシェアしてくれるビジョナリーです。

レストランb.local:地元に根ざした季節の味覚

オーナーのトマス・ガンティオレは自身のレストラン、b.localで地元や季節の素材、製品を採用しています。

ミュンヘンのBMW本社から出発した旅は、ブレンナー峠を経由して、まずは南チロルのイザルコ渓谷へ向かいます。アルプスを走る長いルートは、BMW iXの滑らかな走りがもたらす快適なドライビング特性とシームレスな加速を味わうには最適で、谷間を下るカーブでエネルギーを回復することも可能です。目的地はブルーニコの牧歌的な中心都市。BMW iXをレストランb.local(※リンク先は英語です)の前に停めます。レストランの店主は、地元で採れるサステイナブルな季節の素材を料理に使用しています。テーブルウェアにも地元の作家や職人のハンドメイド製品が採用されており、例えば、皿やお椀はブレッサノーネにある職人が集まった小規模企業に依頼した特注品。ワインリストには、現代的なワイン醸造所の銘柄だけでなく南チロルの老舗銘柄も並んでいます。

哲学をはっきり打ち出すことが重要だと、店主のトマス・ガンティオレは言います。「この店が上手くいっているのは、私たちが自分たちの取り組みに愛着を感じているからです」。ガンティオレとスタッフたちは、お客様の反応からもモチベーションを得ています。エコ・コンシャスがもたらす歓びへの共感は、確実に高まっています。「生産者がはっきりしている製品に対する需要は極めて高いと感じています」。そしてレストランb.localで使われている素材の選択基準は、環境に配慮しているかどうかという、たった一点のみ。小さな拠点から始め、小規模生産者を中心としたネットワークを構築し、家族ぐるみで信頼関係を築いてきました。ガンティオレの両親が経営する農場からも、ウサギ、果物、野菜、ハーブを仕入れています。

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エコ・コンシャスな愉しみのオアシスは、ブルーニコの中心地にあります。
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地元の牛肉を使ったタルタルなど、メニューは常に変わり、季節の食材の入手状況に応じてアレンジされています。
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ガンティオレの成功の秘訣:それは、「好きなことをやっているからこそ、成功する」ということです。
地元で採れる、旬の素材を活かして

 

店主のガンティオレとお店のスタッフたちは「季節の旬の素材」という言葉を真剣にとらえ、妥協しません。その結果、メニューは必要最低限にそぎ落とされています。あらゆる素材がいつでも手に入るわけではないため、定番の料理はなく、メニューは常に変わります。常時あるのは、前菜では冷製もしくは温製が2~3種、ベジタリアン料理が1種類、メイン料理が2~3種、さらにデザートが2~3種。今月のメニューとして1か月固定されることもあれば、1週間で入れ替わることもあります。「手に入る期間が1年間に2~3週間しかないものもありますし、かなり長いものもあります」とガンティオレ。「ただ、この素材は手に入る期間が長いという理由だけで、その素材を使った料理を長くメニューに入れておく、というわけでもありません」。

「それぞれの季節の旬とは、興奮と驚きを意味し、私たちの哲学を表現しています。店でお出しする料理の調理にも、歓びを感じたいと思っています。そのときに初めて、良い料理ができるのです」。ここで採れる旬の素材はいつも同じ味というわけではないと、ガンティオレは打ち明けます。「夜に気温が下がる10月にはトマトの酸味が強くなり、全体に風味が増します。2週間前、夜の気温が10度上がった時期は、かなり控えめな風味になりましたね。味の違いがわかります」。食欲を刺激するものはたくさんあるのですから、ぜひいろいろな味を試してみるべきでしょう。例えば、あと2~3週間もすれば、手挽牛肉のタルタルにポテトチップと冷凍サワークリームを添えた料理は、メニューからなくなります。そしてポテトのかわりに、セミドライのビーツがベースになります。これこそが、地元産の歓びであり、常にクリエイティブに、そして多種多様に変化する歓びなのです。さらに、このレストランの近所には、充電ステーションまであるのです。

シュテファン・ミュルマン:ホテル・ライトルホフでイノベーションからエネルギーを

シュテファン・ミュルマンは、ヨーロッパで数少ないエネルギー自給自足型ホテルの一つ、ホテル・ライトルホフでマネージャーをしています。

旅はブルーニコからドロミーティ方面へ、サン・カンディドへと続きます。このルートでは、ドッビャーコ湖へ向かう途中で少し遠回りすることをお勧めします。左右に蛇行し、そして目的地に到着。ウッドクラッドのホテル・ライトルホフ(※リンク先は英語です)は、周囲の森と自然に溶け込んでいます。ここでのテーマは、旅と環境に配慮した愉しみ。ホテル・ライトルホフは独自の発電・発熱設備を持つ、クライメイト・ニュートラルな施設なのです(さらに読む:サステイナブルに注力:環境保護に向けたBMWが取り組み)。このためホテル・ライトルホフは、欧州で数少ないエネルギー自給自足型ホテルとなっています。また、ホテル・ライトルホフは、グローバル・サステナブル・ツーリズム協議会の厳格な基準を満たし、GSTC認証も取得しています。

ホテル施設内に設置された木材コジェネレーション発電プラントで自家発電し、施設全体のエネルギーと熱の供給をまかなっています。ドロミーティのパノラマ・ビューが愉しめる戸外プールなどを、カーボン・ニュートラルで維持しています。

このホテルのブレーンが、マネージャーのシュテファン・ミュルマンです。機知に富んだ素朴な南チロル人であるミュルマンは、大きな構想を描き、小さく効率的なサイクルを実現しています。「南チロルでは、自然が最も重要であり、保護・保全されなければなりません。このため、ホテル・ライトルホフを気候に優しいホテルに改装したのです」と語るミュルマンは、ホテルの心臓である発電所を見せてくれました。発電所があるということは、ホテルでエネルギーを自己生産し、施設全体のエネルギーと熱の供給をまかなえるということです。ドロミーティのパノラマ・ビューが愉しめる屋外プールなどを、カーボン・ニュートラルで維持できるのです。


ミュルマンは、しっかりした調査を行い、ミュンヘン郊外のノイファーンを拠点とするSpanner Re²社の木材コジェネレーション発電プラントを採用しました。そしてこのシステムの初期導入者として、必要な専門知識の習得に6か月以上を費やしました。「あらゆるものを監視したりテストしたりできるように、発電プラントの下を寝床にしたこともありました」。ミュルマンの原動力になっているのは、先を見据えたビジョンであり、そのために発電プラントにこだわっているのです。そして、この試みは成功しています。発電に使われるウッドチップは、主に所有する森から調達し、乾燥させてから使用します。プラントは木を燃料とする発電所と、屋根上の太陽光発電を組み合わせたものです。「森で作業することを大切にしています。木々は長い間放置され、なんの価値もありませんでした。木が再利用されず森に転がっているのを見ると、胸が痛みます」。

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ゆったりとした眺望:スパエリアのパノラマウィンドウからは、ドロミーティの山並みが望めます。
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光のオブジェ:ホテルガレージ入口のBMW iX。2つの電気自動車用のウォールボックスが設置されています。
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自身のコージェネレーションプラントを前にしたシュテファン・ミュルマン。ミュールマンは、必要な専門知識の習得に6か月以上を費やしました。監視したり、テストするために、プラントの下を寝床にしたこともあったといいます。
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グリーンなオアシス。イニヒェンのネイチャーホテルは、ドロミーティ周辺を散策するのに最適な出発地です。
小さなサイクル、大きな歓び

 

ミュルマンは創造力にあふれ、アイデアに行き詰まることはありません。地元の資源を利用しているのは、エネルギー供給だけに留まりません。同じく大量の木材が使用されているアルピン・スパに浸かってエネルギーをチャージしたら、ホテルのガレージにあるウォール・ボックス2個を使って愛車の再充電もできます。そして、このような高度に洗練されたエネルギー活用は、レストランでも行われています(➜ さらに読む:サーキュラー・エコノミーの重視:2040年に向けたサステイナビリティ)。ホテル・ライトルホフの料理法のベースとなっているのはイノベーションへの愛と、自家製素材への敬意です。例えば、自家飼育の羊はイニヒェンの屠畜場でほふられ、鼻から尻尾まですべて活用されています。肉は宿泊客にふるまわれ、羊毛は村の帽子メーカーのザチェルに運ばれ、ホテルのスリッパの材料として活用されます。

ホテル・ライトルホフからわずか数分の距離に、ミュルホフ農場はあります。ここではアンガス牛が飼育されており、その肉はレストランで提供されています。ホテル・ライトルホフのキッチンに届く新鮮な野菜やハーブも、ミュルホフ農場産です。そして、ミュルマンは早くも、次のプロジェクトに取り組み始めました。「フォーカス・ゼロ」をモットーに、村にレストランとアパートメントを建設し、素材はすべてイニヒェン製でまかなうことを目指しています。レストランで使われる食材は地元産で、自家飼育肉は農場内の店舗でも販売され、サステイナブルな畜産経営への知見を高めています。しかし、これがミュルマンにとって最後のアイデアではありません。

ハラルド・ガッサー:古い野菜品種に新たな生命を吹き込む

ハラルド・ガッサーは以前、ソーシャルワーカーとして働いていましたが、現在は古い野菜の品種を栽培し、星付きレストランに提供する進取的な農業従事者です。

ハラルド・ガッサーとBMWのユニークなコンセプトカー(➜ さらに読む:知っておいてもらいたいBMWコンセプトカー)の共通点とは、何でしょうか。両者とも伝統的で歴史的なエレメントを大切にし、同時に、未来を見据えて素晴らしいディティールで驚かせてくれます。ガッサーは、転職をして従来とは異なる道を歩み、南チロルの野菜生産者として賞を獲得しました。常に新たな手法を求めるガッサーの発想は、常識とはかけ離れています。ガッサーは以前、ソーシャルワーカーとして働いていましたが、現在は多忙な農家として、クラウゼン北部のバルビアーノ山間部尾根にあるアスペンジャーホフ(※リンク先はドイツ語です)農場で、古い野菜の品種を栽培しています。農業はおもしろいということをもう一度広めたいと、ガッサーは言います。そのために必要なのは、アイデア、エネルギー、上手く機能するコンセプト、そして、リスクを恐れない意志です。

重要な鍵を握るのは自然との関係にあります。品種によっては、初めて収穫できるまで7年かかりました。

ガッサーにアイデアが芽生えたのは、約20年前のこと。彼は、オーストリアで農作物の多様性を保全・開発している協会に、大昔までさかのぼる180種の古い野菜品種の種を注文しました。そして、母親から15平方メートルの土地を与えられ、野菜栽培をスタートしました。マニュアルはなく、実践で学習したのです。それでも、ガッサーにとって知識やアドバイスが足りないということはありませんでした。化学物質を一切使用しないという、自分のやり方を見つけたのです。「霧吹きをしなければいけない」と父親に言われることや、「水をあげる必要がある」と母親から助言されることもありましたが、彼は一番いい方法を自分で見つけ出したいと考えました。ついにわかったのは、植物は若い時期に水をやる量が少ないと根を深く張り、土壌から貴重なミネラルを摂取するということ。そして、最初から最後まで化学物質を使わずに育てたいと自分が思っていることでした。ガッサーは実験がとても好きで、現在は、古い野菜品種を中心とした約800種を8,000平方メートルの土地にて、バイオダイナミック農法で育てています。

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ガッサーは実験がとても好きで、現在は、古い野菜品種を中心とした約800種を8,000平方メートルの土地にて、バイオダイナミック農法で育てています。
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ガッサーはマスタードを10種類以上も育てています。そして、かつて南チロル芋と呼ばれていた古い甜菜の品種も栽培中です。花は味がキュウリのようで、別の品種の葉は味がオイスターのようです。
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マルメロがある静物画。ガッサーはある良い傾向にも気づきました。不完全さは、大量生産ではなく職人の手によって作られたという証なのです。
野菜農園から漂うオイスターの香りと、電気のように刺激的な花々

 

ガッサーは、自分の農園をゲームに例えます。「野菜を育てるのはゲームで遊ぶことと似ています。ゲームと違うのは、ネットワークから離れて自然のなかで行うということですね。間違えたらリロードすればいい、というわけにいきません。どの野菜も毎年チャンスは一度きりですから。野菜のことを知り、観察して学ばなければなりません」。ガッサーは、いつも新しいことを学び、野菜や農作業について話すときは、目を輝かせます。「品種によっては、初めて収穫できるまで7年かかりました」。自分の職業を愉しむためにはこの程度の忍耐は必要なことだと、ガッサーは考えています。そして、重要なのは自然との関係だと言います。きちんと世話したことで、ガッサーの農園には現在、塊茎、タイガー・ナッツ、酸味のあるクローバー・ターニップというカブなどが育っています。ガッサーの言う世話とは、ニンジンが埋まっている地面で、数分間飛んだり跳ねたりすることを意味することもあります。その品種はストレスを受けるとサイズが小さくなるものの、風味がより強くなる、ということを自分で発見したのです。

私たちは非常に辛いカラシナを試食させてもらいましたが、ガッサーはマスタードを10種類以上も育てています。そして、かつて南チロル芋と呼ばれていた古い甜菜の品種も栽培中です。花は味がキュウリのようで、別の品種の葉は味がオイスターのようだそうです。木で育つタマリロと呼ばれるトマトは、初めはほろ苦く、次に辛さと酸味がくるため、あらゆる風味を一度に味わえる素材であり、シェフを歓ばせる素材でもあります。「見た目が完璧でなければいけない、というわけではありません。大きくてまっすぐな形に育てる必要もなくなっています。不完全さは、大量生産ではなく職人の手によって作られたという証なのですから」。次なる目的地、カルターン湖をめざしてBMW iXに乗り込む前に、私たちは最後に電気のような刺激を舌で味わいました。オランダセンニチの花弁は、ぴりっとした強い柑橘系の風味でした。ハラルド・ガッサーがこれほど仕事にエネルギーを注ぐのも無理はありません。

マニンコール・ワイナリー:バイオダイナミック農法による葡萄栽培

ソフィー・・ゴエス・エンツェンベルグは、カルターン湖にて夫ミヒャエルとともに、バイオダイナミック農法を取り入れたマニンコール・ワイナリーを経営しています。

クルマはボルツァーノを過ぎてカルターン湖へ向かいます。行き止まりで左折してカルターン湖へ続く峡谷を下り、マニンコール・ワイナリー(※リンク先は英語です)ヘ入る中庭入口を通り抜けたら、そこは伝統とモダンが融合した世界。このワイナリーのワインは、南チロルでトップクラスの品質を誇ります。400年以上の歴史を持つワイナリーの建物は、再設計されたセールス・ルームや、葡萄のつるに覆われた醸造所を備えています。貯蔵室は葡萄畑の下の低層に位置し、歴史ある農園に寄り添っています。建物は葡萄畑の地形を反映し、自然と調和しています。堂々とした門で私たちを出迎えてくれた農園主のソフィー・ゴエス・エンツェンベルグは、早速、BMW iXに試乗しました。ゴエス・エンツェンベルグはここ数年、完全電気駆動のBMW i3に乗っており、このワイン農園にはウォール・ボックスも設置されています。電気自動車を選ぶという決断は、サステイナビリティ戦略のひとつの柱なのです。ゴエス・エンツェンベルグは、夫ミヒャエルとともにワイン農園を経営しています。2005年に一念発起し、専門家アンドリュー・ロランドの力を借りて、農園全体をバイオダイナミック農法による葡萄栽培へ大きく転換させました。大きなリスクもありましたが、この決断は報われました。

新しい建物は葡萄畑の地形を反映し、自然と調和しています。エレガントに設計されたテイスティング・ルームからはカルターン湖を眺めることができます。

これまでたどってきた道のりを一つひとつ語るゴエス・エンツェンベルグの情熱は、周囲にも伝わってきます。一家で経営してきたこの農園には、葡萄栽培と農業の長い伝統があります。「この農園では、こうした伝統と自然の大いなる恵みを大切にすることを使命としてきました。その取り組みの素晴らしい結果が、葡萄畑と貯蔵庫で行われているバイオダイナミック農法と、妥協のない作業にあらわれているのです。私たちはサステイナブルに働くことを大切にしていますが、根底にあるのは人や動物、植物に敬意を払うという、未来に対する明確なビジョンです。これを実践するために現代的な技術を使用しています。目標のひとつに、自然のサイクルを回復・保全することを掲げています」。この指針は次の世代にも伝えられており、彼らはすでに、自ら考案したアイデアをワイン生産に取り込むことに注力しています。ゴエス・エンツェンベルグにとってワインはただ愉しむものではなく、もっと大きな存在です。「グラス1杯の上質なワイン。これは農業のレガシーを感覚的に伝えるものです。私たちが作っているワインは、それぞれが独自の言葉を話します。地域、土壌、空、雨、作り手について語っているのです」。

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新しくデザインされたセールス・ルームでテイスティング。ソフィー・ゴエス・エンツェンベルグにとって、環境に配慮した愉しみは最優先事項です。バイオダイナミック農法のワインのような製品は職人による手作りでもあり、年月を必要とします。
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バイオダイナミック農法のカギは、自然や生物との共存にあります。冬の間は葡萄畑に70頭の羊が放牧され、土壌が調整されます。農園で飼育している鶏たちも毎日土を引っかき回して肥沃な土壌をつくります。
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サステイナビリティに配慮した設計:ワイナリーの貯蔵室は葡萄畑の下の低層に位置し、歴史ある農園に寄り添っています。
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BMW iXを興味深く観察する:ソフィー・ゴエス・エンツェンベルグは、ここ数年、完全電気駆動のBMW i3に乗っていました。
自然と調和

 

バイオダイナミック農法はただの耕作手法ではなく、農園、農業従事者、ワイン製造者も含めた全体を発展させるものです。土壌は堆肥によって活性化され、ミネラルによって整えられます。土壌に再びさまざまな微生物が含まれるようになり、自然のバランスが取れるのです。バイオダイナミック農法のカギは、自然や生物との共存にあります。冬の間は葡萄畑に70頭の羊が放牧され、土壌が調整されます。農園で飼育している鶏たちも毎日土を引っかき回して肥沃な土壌をつくります。ゴエス・エンツェンベルグは、テイスティング・ルームに併設された美しいテラスによく座っています。農園を囲む山々とカルターン湖の眺めは魅惑的という言葉そのものです。

小さい生物こそが最も重要なのだと、ゴエス・エンツェンベルグは語ります。ミミズ、蟻、昆虫、微生物、すべてが腐植土を構成し、土壌に生命を吹き込んでいるのです。そして、葡萄の木の状態が悪いときは、湯で蒸らしたハーブティーを吹きかけます。ゴエス・エンツェンベルグはこうした作業について、自分は植物の世話をするため、そばにいなければならないのだと語ります。地球は免疫システムのようなものです。バランスを整えるためには、あらゆるものを取り込む必要があるのです。葡萄栽培では、時間もまた重要な役割を果たします。「特にこの忙しない世界では、自然には時間を与える必要があります。ワインのような製品は時間がかかりますし、季節によって醸されていきます。理想的でない状況下であっても、ワインはその年を正確に表現し、それぞれが独自のストーリーを語ります。こうしたストーリーを発見し味わうためにじっくり時間をかけようという傾向があることを、私たちは感じ取っています。それこそが、この道を歩み続ける私たちのモチベーションと熱意につながっているのです」。

記事: Markus Löblein; 画像: Yannick Wolf

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